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☆本#560-1 「沈黙の果て 上下」シャルロッテ・リンク著を読んで

主人公はドイツ人だけど、舞台はイギリスとドイツ。
主な語り手はドイツ人女性のイェシカだけど、いつものように登場人物が多く、それぞれ悩みがある。

冒頭、イェシカが散歩から戻ると、屋敷の主を含む4名の死体と、重症の子供、茫然自失の友人エフェリンを発見する。

その事件の前。
獣医のイェシカは、バツイチで子持ち(15歳の娘リカルダ。普段は母親と暮らす)の大学教授アレクサンダーと結婚し、彼が休暇の時は必ず過ごすという、パトリツィアの別荘(イギリスのヨークシャー)に、リカルダと共に来ていた。
そこには、パトリツィアの夫と二人の娘と、カリスマ・セラピストのティムとその妻エフェリンがいた。イェシカが夫と出会ったのは、そもそもエフェリンの老犬を診たことがきっかけだった。

リカルダは、イェシカのことを認めておらず、支配的なパトリツィアも大嫌いで、家での食事を拒否。町で19歳のキースに出会い、惹かれていく。

パトリツィアらが到着する前、パトリツィアと親戚だという、フィリップという男が家政婦に嘘をついて屋敷に侵入するも、家政婦にパトリツィアから偶然電話があり、男は逃走。

イェシカは高圧的なパトリツィア、ひとを分析する傾向のあるティムが苦手。ティムの妻、エフェリンには好印象を持っているが、彼女には鬱の傾向があり、自身が妊娠したことは、流産したエフェリンの前では言えない。

ある日、イェシカは夫が自分に嘘をついたことに気付き、夫への不信感が芽生え始める。同時に、館にいる人々に対しても息詰まりを感じ、距離を置くため屋敷の外に散歩に出た際、犬がおぼれているのを発見し、そこでフィリップと知り合い、彼の目的を知るが…。


なぜ3家族がこの館に休暇に必ず集まるのか、夫婦間の真実等が徐々に明らかになっていく。


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