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映画「ベルイマン島にて」を観て

スウェーデンの島が舞台なので、海外旅行的観点でも見れるかなと思い観てみた。あらすじのエンディングは微妙な、むしろ暗い終わり方かと思ったら、いい意味で期待が裏切られてよかった。
内容は男性監督と女性脚本家・監督が、ベルイマン島に創作活動のためにきて、そこで実際起こる&頭の中で起こる話が交差する。ふたりにはモデルがあって、女性のほうはこの映画の監督。男性は彼女が数年前まで結婚していた映画監督。

この映画では、彼らの創作と、彼女の創作内容が映画ない映画として描かれている。
島は美しく、風が強く、海も景色もきれい。きっと空気もきれいに違いない。

この島を愛していたというベルイマン監督の作品は、たぶん観たことがない。が、主人公らの会話から、精神的に残酷な内容らしい。主人公は、その点はあまり好きでないようだけど、彼女が創作する脚本でもやりきれない想いは描かれているけど、後味は残酷とはちょっと違う。というのも、彼女と彼女の頭の中の映画の登場人物が役者という立場で、おそらく現実・虚構mixで登場してくるから。苦さが薄れるというか、見終わって嫌な感じがなかった。

主人公はパートナーのことを「友人」という箇所があり、そこはふたりのというか、彼女が思う彼との関係にちょっと違和感を感じていたら、現実の二人が離婚していたことを知った。ふたりは26歳年の差があって、子供もいるけど、なにより求めていることが違っていっての、齟齬か。

主人公の創作している脚本の話、映画内映画で、男女が出てきて、早すぎた恋、遅すぎた恋を経て、友人の結婚式で再会して、ふたたび接近するけど…、という展開があるんだけど、男女ともなんか見たことがあるなと思ってググったら、それよりふたりの年の差に驚いた。女性はアラサーなのでまだ年相応だけど、男性は40代だった。若く見える。。。
ふたりとも、主人公モデルのカップルの映画出演歴あり。男性監督のほうは、クリステン・スチュワートやジュリエット・ビノシュを主演とした作品を撮っていて、中でも「パーソナル・ショッパー」や「アクトレス」に興味がある。
前者のほうは、この映画のラストで子供が父親に尋ねる幽霊がでる映画らしい。この監督はどうやら深淵をえぐる、というかエグイ部分もあるようだけど。
ついでに、彼の最初の妻は、マギー・チャンで、彼女の育ちが英国とは知らなかった。フランス語が流暢なことも。彼と離婚後に彼の映画「クリーン」に主演として出演(カンヌで、主演女優賞受賞)した後は、夢だったバンドの歌手に転身したらしい。今も歌っているのかは知らないけど。この映画も見てみたい。

ベルイマン島、正しくはフォーレ島に、いつか行ってみたい。





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