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☆本#453 四面楚歌「スリープウォーカー」ジョセフ・ノックス著を読んで

警察ノワール。英国、マンチェスター市警、エイダン・ウェイツのシリーズ3作目。

イントロで、テッサという名の女性が登場し、男に遺書を書かされ…。

12年前の一家惨殺事件の犯人、ウィックは終身刑が確定していたが、ガンが見つかり入院が決まる。エイダンは、上司のサティと共に、ウィックを病院で警護することになる。

12年前の事件では唯一長女のリジー、12歳が見つかっておらず、エイダンたちは、ウィックから死体のありかを聞き出すことを期待されていた。
ところが、エイダンが席を外している間、ウィックの病室から火の手が上がり、サティも重症を負い、警備をしていた警官も殺される。病室に戻ったエイダンに、重症のウィックは自分が犯人ではないという。
エイダンは席を外した際、トイレで緑のトラックスーツを着た怪しい女を見かけていた。
そして上司に言われて相棒となったナオミと、12年前の殺人犯と今回の殺人犯を探す調査を始める。


主人公は、1作目で押収品のドラッグをくすね停職となり、麻薬組織のボス、カーヴァーから不評を買い、殺しの懸賞金を賭けられる。所属する警察自体が腐敗しているため、まとまった資金と偽造パスポートを手に入れ、警察から抜け出すこと考えている。

今回も、不正を働いた警官との駆け引きがあり、中盤までは捜査に対して若干逃げ腰。

ノワールとは、「出口のない閉塞した世界において、運命に翻弄されて虚しくあがく人間を描く作品」という意味で、閉塞し過ぎて読み始めは馴染めず…。
が、中盤からやっと普通の刑事ものの流れとなり、謎解きが深まり、最後は物語には必須と言われる「意外な結末」を迎える。とはいえ、微妙なので、その後の続きも気になる。

いずれシリーズ1,2も読みたい気も。
表紙がちょっとこわい。個人的に、本屋でこの表紙を見て手に取ることはまずないだろう。


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