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セルフビルド、映画「サンドラの小さな家」を観て

2020年アイルランド・イギリス映画

サンドラが幼い娘ふたりと家で遊んでいると、夫が帰宅し、娘たちに外に出るよう言う。外は寒いと嫌がる長女にサンドラはそっとメッセージを伝える。
娘たちが外にでるや「家を出るつもりなんだろう」とサンドラを責め、暴力をふるう夫。サンドラはこの夫の暴力から実際逃げようとしており、長女は母親があらかじめ指示していたように警察に駆け込む。この時、逃げようとするサンドラは手を夫に踏まれ、負傷。
その後サンドラは離婚し、女性支援グループの紹介でホテル住まいを開始するも、職場から遠く、公営住宅の順番は600番以上後なので何年もかかりそうな気配。お金がかかる一方で不安が募る。

娘たちは週末に元夫のところで過ごすことになっていて、送っていく度、彼からよりを戻そうと言われる。暴力をふるわれた左手はまだ完治しておらず、当時の恐怖を思い出し、そんな気になれないサンドラ。

ある日、インターネットで「セルフビルド」建設を知る。自分で家を建てるというもの。
支給される予定の保険等を踏まえ、役所にセルフビルドについて相談に行くも、担当者から断られる。が、サンドラが家政婦の仕事をしていた先の、元女医からの援助で、土地を借りることになり、実現に向け建設関係者の協力も得ることにも成功する。

職場の同僚やその周りの人の助けを借り、なんとか建築を進める中、次女が面会日に元夫に会うのが怖いといって何度かキャンセルした結果、違法だと夫に訴えられる。次女は父親が母親に暴力をふるうところを目撃してしまい、父親が怖かった。
法廷では前半、元夫側が有利に進むも、サンドラが正直に話すことで親権は確保。とはいえ、次女と元夫との面談は維持する方向で。そもそも家を建てるのは子供たちを過ごすためだったので、ほっとするサンドラ。

その後家も無事に建ち、途中仲間内でいさかいもあったかけど、完成後みんなで写真をとったり、パーティをして、それぞれが感無量な中、事件が…。

ワーキングクラスの女性の離婚後の苦労が描かれつつ、周りがボランティアで建築を助けてくれたり、ハートウォーミング。
主人公が、暴力を振るう前の夫が恋しいと言うのが印象的。

元夫はカウンセリングに通うけど、サンドラはもう彼を信用できなかった。カウンセリング効果ってどれくらいなんだろう。

ジェニファー・ロペス主演のアメリカ映画「Enough」では、主人公は夫の暴力から一旦子供と非難するも、体を鍛え、防御プラスきっちり報復する展開。なんかアメリカ的と思ったけど、現実的には特殊か。


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