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☆本#570 分岐点 「身の上話」佐藤正午著を読んで

語り手は主人公の夫。流動的展開で、先が読めないロードムービー的。

妻ミチルの人生が語られる。
ミチルは23歳の時、地元の、海に面した観光地の老舗書店に勤める。
ある日、毎月出張でやってくる大手出版社からの販売部の男性、豊増と偶然食事をする機会があり、多少流されやすいタイプのミチルは彼と付き合い始める。といっても、ミチルには恋人がいるし、彼には妻子がいるので不倫。
ある時、彼に会うために歯医者へ行くと嘘をついて勤務先を出ようとしたミチルは職場の主任らから行く途中宝くじを買うよう頼まれる。
が、彼と会ってふとした気まぐれで職場には戻らず、彼と共に東京へ行くことにする。その後主任から無責任な行動や宝くじを持って行ってしまったことを責められ、親からも先手を売られて貯金を勝手におろされる。ほぼ無一文となったミチルは、ひとまず、東京の大学に通っている、幼馴染で年下の竹井を頼る。
豊増に借金しようと思っていた矢先、宝くじ売り場を通りかかり、当たりがあるか確認してもらうと、なんと1枚が当選していた。
くじを1枚間違って多めに購入していたことに気付いたミチルは、当選を誰にも言わないことに決め、追求してきた主任らには残りのくじを送付するも、その売場で一等が出たことは周知で、さらに追及してされる。
アパートを借りて引っ越した日、ミチルはもう縁を切ったつもりでいた故郷の恋人が訪ねてきて事件が起き、豊増が会社のお金を不正に使っていたことが発覚し一緒に逃げようと言われ…。


恋愛からの、大金がらみのホラー的。




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