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☆本#555 勧善懲悪「グレイラットの殺人」M・W・クレイヴン著を読んで

英国国家犯罪対策庁の重大犯罪分析課の刑事部長ワシントン・ポーと分析官ティリーが活躍するシリーズ4作目。

冒頭、貸金庫を強盗団が襲い、リーダーと思われる男が仲間のひとりを殺し、逃亡。
その3年後、サミット開催が迫る中、米国ヘリコプター会社の社長が売春宿で殺される。ポーは、自宅の件で出廷していて、有利な判決が出る直前に休廷とされ、MI5(保安局)と前作で知り合ったFBI特別捜査官リーと共に、その事件を担当することになる。

殺害現場の映像を見たポーは違和感に気付き、それが3年前の事件との共通点であることにティリーが気付く。
聞き込みから徐々に関係者がわかり、被害者がイギリス人で、戦争ヒーローだったことも判明。また、彼が骨董の密輸に関わっていたこと、戦地で彼を救ったチームの事故の真実がわかり、その裏の国家間の秘密を知り…。


この作品は実はシリーズ2作目だったけど、1作目とタイプが似ていたため保留にされていたらしい。シリーズ内での分量が最長で、ストーリーが二展三転し、登場人物も多いけど、章の最後にポーだけが何かを知る展開で、つい先を読みたくなる技術が使われている。
本シリーズはイギリスでは既に5作目まで出ていて、6作目も今年出る予定らしい。



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