みかづき星雅 / Seiga

この瞬間だけでも、ほんの少しでも、強かな人を導く灯火に近づけますように。  毎日投稿…

みかづき星雅 / Seiga

この瞬間だけでも、ほんの少しでも、強かな人を導く灯火に近づけますように。  毎日投稿(2023/11/22~)  東方Projectの二次創作をしてます  noteでは詩歌/エッセイ/英詞和訳/レビュー  他では小説/絵  感情の起伏が激しい曲が好き

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    自作の詩・短歌・長歌。東方Project二次創作含む。

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    Seigaの好きな曲を手あたり次第和訳・英訳して、最後に感想や訳の理由など諸々記載。

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    アニメ、音楽など、既存作品に関する長文めのレビュー。

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詩歌集『イノセンス・ロスト』発行にあたり、セルフライナーノーツ【告知】

 2024年5月3日 博麗神社例大祭第二十一回にて、初の詩集および歌集となる本『イノセンス・ロスト』を頒布します。  初の詩集・歌集でありながら、『東方Project』という既存の作品シリーズの世界観・キャラクターを基にした二次創作の詩歌集となります。  約500P、A6文庫本サイズ、140篇超の詩歌を収録。分厚い……。  一般流通はなく、即売会での直接購入のみとなります。通販は……希望があれば。  ぼちぼち長い記事になりますが、本記事の末尾に収録詩歌からいくつかサンプル

    • 詩 火葬場は歩く

      詩 火葬場は歩く  その不遜と伴にいられなくなった  しわがれたわたしを見ても  泣く資格すら失くしてた  きみたちに求められたのは  所在ない自信で立っていること  そこにわたしはいない  いられなかった  頭でっかちな自己への懐疑が  不確実を嫌った世界の臭いが  染み付いてしまった  もう戻れない  戻りたくもない  偽りにしか見えない  なのに  輝いているんだ、  腐った脳漿を焼かないけど  肉と心が焦げついて痛いほどに  焼き付けられるんだ  そうして  壊死し

      • 詩 波にのる夜

        詩 波にのる夜  ひとが脱ぎ捨てた古着のかけられた  ショーケースのあわいを  多種多様の臭いに囲まれて  掻い潜って  見たくないもの  たくさん見ることになる  聞きたくないこと  布のほつれは語りだす  押し退けられずに  臭いが移ることもある  その森林のなかで  出逢うべくして出逢った  肌触り  質感  温度を湛えた  ドレス・コードを打ち破る  あなたの歴史が見つかって  世界に辟易したわたしを  やさしく、包んでくれる  それと一体になったとき  抱いたあな

        • 詩 なきがらの海

          詩 なきがらの海  少女の屍体の海  千切られた肉塊が  糸を引くように浮揚する  波の押し引きにより  転覆を繰り返す表情  禿鷹が 鮫が  胴体に乗り移り  嘴と口腔で貫く  心の臓まで囓られ  骨は浮き輪となり  そして 次なる少女の屍体が  堕ちてきて  その海上で  伸びをして目覚める  あらたな肉体は  食まれる屍体を  かつての自分の 生気のない貌を  暫しじっと見下ろし  涙が枯れたことを自覚する  声にならない嗚咽で  身体はときどきふるえる  信仰は脱皮

        • 固定された記事

        詩歌集『イノセンス・ロスト』発行にあたり、セルフライナーノーツ【告知】

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          詩 夜と昼がみえる場所

          詩 夜と昼がみえる場所  いましかないものが  生み出す焦燥で  皮膚を零しながら  息してたころ 思い出すよ  去ってしまった紫煙を  眺めているいまは  深い闇を降りているのに  怖くはなかった  黄金はおわっても  夜の国がはじまった  それだけなんだ  死んでも欲しかったもの  願っても手に入れられないもの  ふと見つけてしまったもの  気づけばそこにあって  あなたを傷つけたもの  ぼくを傷つけたもの  光であれ闇であれ  安寧であれ必死であれ  寄せては返す  

          詩 夜と昼がみえる場所

          詩 棄郷者へ

          詩 棄郷者へ    みなしごよ  みなしごよ  骨と皮を 集めて拾いなさい  それはかつて  あなただったものの死骸です  その山積です  願いはいくらありましたか  どれだけを葬りましたか  夢に詰め込んだ ひかる清水を  流血したまま  どれだけの時が経ちましたか  現実に向き合うとうそぶいて  瘡蓋を弄る日々は 満足ですか  夢を置いていったことの  後悔を 自傷で埋めるのですか  きっとわたしたちは  現になんて 向き合えなかったのです  逃げ込んだ先で  本当の笑

          詩 地底の太陽

          詩 地底の太陽  あらゆる鬱屈を焼き尽くす  暁光に浴する  焦熱の 審判の日に  ただ有難がって  頭を垂れるしか  選択肢がないとしたら  全身に纏わりつく熱気は  ぼくの心を再生不能に殺すだろう  あらゆる岐路に立ち尽くす  灼熱に黙する  それしか できなかった日々に  ただ忸怩で  自身を睨めつけるしか  できなかった記憶たちは  いつだって眠りこけてるのに  すべてが手遅れのとき 目覚めて  この内心を復元不能に焼くから  夏になって  地中を這い出る日まで  

          詩 地底の太陽

          詩 不死身のロータス

          詩 不死身のロータス  片手間に幸せを得ようとする  自分自身が許せないのは  そんな他人に苦痛を強いてる  表裏一体の攻撃だった  努力の賛美  報われる労苦  他人への説明のための  筋書きが欲しかったのか  そりゃあ他のものは得られないよ  ざまあみろ倒錯思考者  って  言われてる気がするんです  ほら、あの モニターの向こうにいる  半生を伴にしてしまった  青春群像の美少女たちが  望むものを得られないぼくへの  当てつけのように笑ってる  そう見えないですか

          詩 不死身のロータス

          詩 底

          詩 底  夜は世界を壊してくれない  優しい天幕は  太陽を追い出すだけ  割れる  とか 唱えてみても  なんにも割れたりしない  この瞬間にも  脳細胞は死滅しているらしい  けど 情景は変わらない  というかなんで  そんなに壊したがってるの  壊したかったのでもなくて  死にたかったのでもなくて  どっか行きたかったのかなあ  日々の繰り返しにより  閉塞と単調の 底が抜けて  夢の国に繋がってたらいいね  いや 底を抜けたいのなら  壊すしかないのかもな  巌のか

          詩 鳴らさない関節

          詩 鳴らさない関節  結び目からは多腕  覗いて喰い込む  リボンの蝶が  抱きとめるのは  獲物から放たれる  柔らかい肉  土の底を貫くのも  泥水の付着も構わないのは  飢えて仕方なかったから  薄く広がる胃腸は  果てのない空洞だったよ  やっと逢えたね  いたずらに鳴り響く  腹にすっぽり収まる  ぬくい温度を  今度こそは  丁寧にだきしめるから  怖くないよ  いくつもの手足に  触れていて  いつまでも  いつまでも 『東方虹龍洞』に登場する大蜈蚣『姫虫百

          詩 鳴らさない関節

          詩 イリデセント

          詩 イリデセント  虹色の重みは  変わらないと思ってた  虹色に代入される  様々な感慨の重みは  誰にとっても 変わらないと思ってた  そうじゃないって気づいたとき  ぼくの中の  義侠心とか 親切とかいうものが  ぜんぶ独善のように思えて  重さを差し出しても  同じ量が返ってくるなんて  思えなくなって  それから  ますます独りが加速する  この重みを差し出さなくちゃ  ならないくらいなら  永遠に独りきりがいい  けれど独りが痛くないわけじゃ  皮膚がぼろぼろに

          詩 イリデセント

          詩 沈黙のスーパー・ブルーム

          詩 沈黙のスーパー・ブルーム  痩身の灰色に  青の星と似た  陽光が降り注ぐ  死穢を駆逐した衛星に  囁き声の幻聴が聴こえる  遠い星のもたらす残光  無重力に浮いたあなた  宇宙服の侵略者が来なければ  生命の宿る可能性さえ  無いのかもしれない  それでも夢見る  恵みに溢れているが故に  枯れ尽くしてしまった大地に  生命維持もなく置き去られた  成り損ないの願いたちが  溢れ出して止まらない  超常的な開花  そこに 無重力のあなたを  引き連れて  忘れかけた

          詩 沈黙のスーパー・ブルーム

          詩 アンチマター

          詩 アンチマター  真夜中の蝉時雨  終電の無人駅に  打ち棄てられた  制服とローファー  お土産話と情緒  果てない距離を  渡った二つの手紙  それらが詰まった  スクールバッグと  A4に書かれなかった  苦悩と告白は  ふたりの中にある  重なる部分がぶつかって  対消滅のひかりにより  ふたりの宇宙ごと  消してしまった  あとに残るのは  人も神もいない  人類と想いを忘れた  地上世界だけだった  「出逢うべきじゃなかった」  なんて  きっと言ってない  

          詩 アンチマター

          詩 アナザー・ワン

          詩 アナザー・ワン  淀んでゆく清水から  きれいな部分だけ掬い取っても  もとのきみの顔は戻らない  侵された記憶から  純粋無垢な気持ちだけ見ようとしても  濁ったのはわたしだから  もうにどと 元の感慨は戻らない  それでも  淀みと濁りに棲む  荒んだ瞳に成り果てても  澄んだ空気を求めて  別の河を捜してしまうんだ  あたらしいものを消費することを  繰り返してしまうんだ  手元を去ったすべてのものに  別の必要な何かが  見つかる日が来ていますように  置いて行

          詩 アナザー・ワン

          詩 霧中の馬群

           詩 霧中の馬群     聖戦の騎馬兵たちは  留まる霧を遥か彼方まで  突き放して  幻想の合唱へと ひた走ってゆく  夢の馬群の  先頭をはしる  わたしの白昼夢  塵に帰る前に  母の額に帰る前に  聖歌隊を  拝ませて  硬質化した肌の  うちがわから  お前はもう手遅れだって  怒鳴る声が 鳴り止まない  まだ、終わってないよ  集中治療室に横たわる  頬を 転げ落ちる  忠義の  夢想の  かたい皮膚 『東方鬼形獣』に登場する埴輪兵『杖刀偶磨弓』を基にした詩

          詩 最期の爪痕

          詩 最期の爪痕  捨てられないものばっかりになったきみは  もしいま 境界線が視えたとしても  渡ることなんてできやしない  失うことが恐ろしいのなら  一言も話さないで  思考ごと葬れば  沈黙を貫けば  そのうち  恋慕なんて消えてしまうのよ  懐郷なんて忘れてしまうのよ  ここにしかない 心の在り処  なんて嘘で 代わりなんていくらでもある  不安ばかりに埋め尽くされて  幻想に頬擦りして 泣き腫らした夜も  いつか 代替可能ななにかに  置き換えられていく  けれど