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詩歌

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自作の詩・短歌・長歌。東方Project二次創作含む。
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記事一覧

詩 陽りの永久凍土

とくいげな言葉ほど 急速に熱をうしなってゆく 「えいえんなんて」 凍えは永い 溶け出すまで …

詩 いてついた記憶より

いてついた記憶より おもいだせない時間の いてつきに 息ができなくなる あったはずの構造物…

詩 流体

りょうてをふさげば底へ溜まり りょうてをあければ空へ浮かぶ 陰りに降りしきる岩石と 陽りに…

詩 すべてのモチーフへ

 乏しい脳漿に注ぎますのは、縊れに研ぎ澄ましますのは、潮流の源から溢れでた、三つ編みの憧…

詩 みそめの雨水

『東方深秘録』に登場する高校生『宇佐見菫子』を基にした詩

詩 悪魔祓い

 それがぼくを救ってくれるのなら望んで差し出してやるさ。  朝日は転がり落ちて星空が降っ…

詩 三次元空間における二象限間の距離について

あなたの知らないものを丁寧に包装して受け渡すことが誠実な仕事なのだと思いました。 投げやりに放りだしたことが床に散らばるたびに、もういいの、と言っている水面が脳裏にちらつく。自分自身で書いたカルテが諦めの烙印を押している。許さないってつぶやいても弱々しさは隠せなくて。稚さを自覚してもただちに解消できることなんか到底なくて。 冷たい溶融が歯茎にしみるとして、声帯を凍らせる理由にはならない。背たけが低いからといって、少年院送りが免除されるわけでもない。わたしの青色がきみの絶望

詩 ぐるり、匍匐

すきになれなかったあ、 白亜のこんちゅう 陰翳にしのんでた のは こころだって同じだ 脚がた…

詩 歪食らい

食らいついても 一体になれない という 味わいたいのか 飲み込みたいのか 満たしたいのか 牙…

詩 巣/巣

巣/巣 信用しないとき 吐く 吸う 蛍光 指の振動 揺らぐふるえ 言葉にできていないこと 多す…

詩 育てたもの

素面の奥に どれだけのビーズが詰まっているのだろう ぐずる様子と鼻炎の 違いも識別できない…

詩 ステージ・ライト

小槌大槌を背に受けている浜辺が過るんだ。知らないのではない、忘れてるのではない、思い出せ…

詩 皮膚のこと

慌てたって溺れようがないな、 白馬ではないですから マニキュアがこの季節だけ色づくのは 言…

詩 水晶のような

百点未満だからだめなんじゃないし、一位じゃないとだめでもなくて、けれど不足しているものがあった。 森の木立の四方山話。血液が染み出して白皙。新品のテディベアだけで妖怪は退治できるらしい。力を与えてくれるものを神様と呼ぶなら、足を引っ張るものをどんな侮蔑によって迎えるのだろう。雨ざらしになるでもなく、庇に走るでもなく、ただ朧気に両者の引力のあわいを抜け出せない。 もっとも中途半端に間違っているのは私かもしれない。どうか割り切るなよという囁きは呪詛で、いま奏でられることばは少ない