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「絵本日記」【ずっーとずっとだいすきだよ】



【ずーっとずっとだいすきだよ】
絵と文 ハンス・ウィルヘルム
訳 久山 太一

エルフィーとぼくは、一緒に大きくなった。
ぼくの背が伸びる一方で、愛するエルフィーは太って動作も鈍くなっていった。
ある朝、目覚めるとエルフィーは・・・

絵が水彩画でとても柔らかい。
相思相愛の様子がよく伝わって
ぬくぬく温かくなる。
それ故にその時のぼくの気持ちを思うと
締め付けられる。

誰にでも、
ずっと元気でいて欲しい相手があると思う。

でも、どんなに泣こうが喚こうが
それは「自然の理」が許さない。
どうしようって思うくらいの喪失感。
なかなか解放してくれない。

だけど、ひとついいかも?と思うのは
わたしたちには「忘れる力」がある。
日常で「忘れもの」なんていいイメージではないけれど…
強いショックの記憶をいつまでも内包し続けるなんてそれはいくらなんでも辛すぎるでしょ。
神様からのギフトと思っている。

完全に忘れ去ることはないけれど、
少しずつ記憶がぼんやりしていく。

こうしてまたひとつ
いい意味でも、わるい意味でも
鈍感になっていく。

歳を重ねるってこういうことなのかもしれない

切なくて儚い。

滲む景色
今年の桜も綺麗です。