おひつじ座1度 サビアン
水の外に出た女性を、アザラシが追いかけて抱きしめる
A woman rises out of water, a seal rises and embaraces her.
旅人は旅を始めます。慣れた場所は安全ですが、いつか外に出ようと思っていました。ちょうどその時が来たなと、旅人は思いました。
出発する時、友人が手を握ってくれたら、家族が抱きしめて送り出してくれたらよかったなと思いました。でも実際には旅人は一人きりでした。
ふと、水族館へ立ち寄った時のイメージが思い浮かびました。
アザラシと寄り添うように一緒に泳いでいた女性が水の外に上がりました。続いて、アザラシも水の外に上がると女性を後ろから抱きしめました。
女性は驚いたように、でも優しい顔をして振り返りました。アザラシは手をゆるめ、そっと背中を押します。
何でこのことが今思い浮かんだのだろうと、旅人は思いました。
水から生まれた生命、女性が生きようという感情のままに新しい世界に飛び出した、新しい生命だとしたら、アザラシは母なる海、いや生命を作ったもっと大きな存在かもしれない。存在を肯定するように包み込み、送り出した。誰も周りにいなくても、自分はもう最初から肯定されていた?
旅人は涙を流していました。
自分を励まして送り出してくれた人が確かにいたと力強くうなずき、ここから出発だと涙をぬぐって歩を進めていきました。
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