見出し画像

中米・エルサルバドルとの出会い〜わたしの場合〜

なにか新しいものや人と対峙した時、人はどんな反応をするだろうか。よく分からないもの、理解し難いもの、自分とはかけ離れた(ように見える)もの。関係ない、無関心、自分の置かれた状況に安堵… あるいは、興味深い、なぜ?どうして?、と好奇心がくすぐられる人もいるかも知れない。

今回は、私にとってそういう「得体の知れない存在」だったエルサルバドルとどう出会い知っていったか、“わたしの場合” をシェアする。こんな形もあるんだと、少しでも何かのヒントになればと思う。
(ヘッダー画像はエル・ピカチョを望む、早朝の首都サンサルバドル)



そもそも

まず、私が今どこにいるか。プロフィールを引用しながらざっくりお話ししようと思う。私は現在、

中米・エルサルバドルの北部、ホンジュラスとの国境にほど近い〈ラパルマ〉というカラフルで美しい自然豊かな町

に住んでいる。ラパルマ(La Palma)は、エルサルバドルの首都サンサルバドルから北に車で2−3時間ほどの山間部にある小さな町。同国出身の画家である故フェルナンド・ジョルトが指導した、カラフルなイラストを施した民芸品で有名な観光地でもある。コーヒーの生産地としても知られていて、個人的には毎日地元産のコーヒーを飲むのがこの上ない楽しみとなっている。(いずれラパルマの紹介もしたい。)そんなラパルマだが、そもそも(2回目)エルサルバドルについて知っている人はどれくらいいるだろうか。

エルサルバドルってどこだっけ、から始まった

私は同国に渡ることが本格的に決まるまで、エルサルバドルについては南米のどこかにあることと、「ギャング」「危ない」というイメージくらいしかなかった。高校時代に選択した世界史でもしっかりと学んだ記憶がなく、とりあえず地図で調べてみる。南米ではなく、中米(中央アメリカ)にあるらしい。メキシコ、グアテマラときて、グアテマラとホンジュラスの間にちょこんとある小さな国。おそらく南米のエクアドルと混同していたのかもしれない。

ネットで検索すると、検索キーワードには「殺人率世界ワースト1位」などの文字に加え、物騒な写真や情報ばかり(ただ、先月2月の大統領選により、日本語で得られる情報が少しアップデートされたように見える)。これが私の、エルサルバドルとの(たぶんちゃんとした)最初の出会い。あまり“いい“第一印象とは言えなかった。

その国、そして人びとを知るには歴史から

しかし、その「殺人率世界ワースト1位」というレッテルは逆に私の好奇心を駆り立てた。そんな国で暮らす人々は、普段どんな生活を送っているのか。そもそも、どうしてそんなことになったのか。たくさんの疑問、そして知りたいという思いで頭がいっぱいになった。

ところで、私は個人的な鉄則として、その国、そして人びとを知るために、文化もそうだが何より歴史を学ぶことを心がけている。何を経て、今どんな段階にいるのか。そして何に向かっているか、大きなヒントを得られる。また、ヒューマン・ストーリーを覗いてみること。一般市民の体験談は想像がつきやすく、受け取り手としては感情が動きやすい。感動や共感というプロセスを通し、本当の意味での「理解」に近づくと思う。

ではなぜ、そもそも、その国・人びとを知る必要があるか。それは、特に自分が関わっていく可能性のある人たちが、どのような経験をしてきたか知ることはとても大切だと考えるからだ。その人に大きな影響を与えたであろう過去の出来事を知っておくことは、相手の本質を理解するのに重要だと考える。

そういっても、表面的にでも現在の全体像を把握することも欠かせない。なので、とりあえずはWikipediaや外務省HPなどで基本的な情報を見てみる。そして、一旦それで大まかな全体像を頭の中で描いてみる。だが、これで得られるのはあくまでもデータとしての情報。そこで、歴史を知る段階に入っていく。

特に私の注意を引いたのは、エルサルバドルではつい1990年代まで内戦が続いていたという事実だった。つまり、現在の30代以上の人たちは、何かしらの形で内戦を経験している可能性が高い。また、大きな社会問題にもなっているエルサルバドルから米国への移民問題は、内戦が背景の一つとして大きく関わっている。ということで、私はエルサルバドル内戦の歴史、特にヒューマン・ストーリーを覗ける媒体を探し始める。

残念ながら、当時の私に得られる情報はかなり限られていた。そんななかで、関連書籍はどうだろう、と検索してみた。結果、いくつか面白そうなものが目に留まった。

  • 長倉洋海(2002)『へスースとフランシスコ エルサルバドル内戦を生きぬいて』

  • 樋口和喜(2022)『商社マン、エルサルバドル大使になる』

  • エスコバル瑠璃子(2023)『エルサルバドル内戦を生きて―愛と内乱、そして逃避行』

当時すぐに手に取ることのできたのが、1冊目の長倉洋海氏による『へスースとフランシスコ エルサルバドル内戦を生きぬいて』だった。


思いのほか長文になってしまったので、一旦ここで区切ろうと思う。次回、読書体験(エルサルバドルの新たな一面との出会い)と後日談を共有したいと思う。

【参考】本稿記載の書籍


編集後記

第1回目の投稿から、もう少しで2ヶ月。月1投稿できたらいいなとぬるく考えているうちに、二月はあっという間に過ぎていってしまった(今年は閏年で、1日多い二月だったが…)。別にネタがなかったわけではなく、むしろいろいろありすぎて、外向けなものを書くには余裕がなかった。思考も少し整理されてきたことだし、やっぱりアウトプットは大事だよね、ということで再び筆を取った。

この数ヶ月間、エルサルバドルで生活していくなかでときめいたエピソードが多々ある。それらをすぐにでも共有したいのだが、いろいろと順を追った方がいいので、一旦は導入ということで本稿を書いてみた。Note初心者すぎて読みにくさで溢れているが、最初のうちは数をこなすことが大切だという結論に至った。なので、100%納得のいく形でなくても、少しずつ公開していこうと思う。ありがたいことに、後からいくらでも編集はできる(と自分に言い聞かせる)。

好奇心と共感心で、見える世界はぐんと広がる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?