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心を開かせられなかった人の話。

バイトで出会った、
心を開かせることができなかった人の話。

誰の心も開かせることができるのに、って
思ってるわけじゃないよ、
すごくこの人と話してみたいなって思ったのに
叶わなかったって話。
どうすれば良かったのかもわからん。

去年の4月に新しくスタートした、
受付のアルバイトで出会ったAさんのこと。

初出勤の日、仕事内容を教えるからと
社員さんに仕事現場に呼ばれていたけど、
その社員さんの到着が少し遅れるということで
私だけ先に現場に向かうことになった。

私は、仕事を教えてくれる予定の社員さんもいなくて、
先に一人で現場に着いてしまって、
すごく心細くて不安だったわけですよ。

不安ながらもまあ行くしかなくて、
緊張しながら向かった。
二人の女性がいたんだけど、
そのうちの一人、Aさんに声をかけた。

「今日からお世話になります、新しく入りました垣花です。
〇〇さん(社員)の到着が遅れるみたいで、
先に私だけ向かって、受付の方に伝えろと言われて来ました!」

悪い印象をもたせないように明るく挨拶したつもりなんだけど、
Aさんは真顔で目を合わせることなく、

「ああ、はい。」

とだけ。

(笑)

ってなった。
気まずいを超えて草生えるかと思った。

いや、私はAさんが名前を名乗ってくれて、
社員さんが到着するまでの間どうすればいいか
指示してくれると思っていて。
いや、「向こうはそうしてくれるだろう」と
思い込みすぎてたのが悪いかもしれないけど、
でも、初めての現場で知らない人だらけで
頼れる社員さんもいなくて心細い中やってきたのに、
そんな仕打ちあるかい!?と思ってしまった。

案の定、その場で立ちっぱなし約5分間。
長い長い5分間だったよ。
お客さんも行き来する中途半端な場所で
新人がどうすることもできず立たされて滑稽だわ。

挨拶の勢いを一掃された俺氏は、
悲しくなって、さらに心細くて、秒で帰りたくなった。

5分後、突っ立ってる私を見兼ねたのか、やっと
「〇〇さん(社員)来るまで、ここの裏に荷物置いて座っててください。」
と言ってくれた。

これがAさんとの初めまして。
結局名乗られることなく終わった。

徐々に仕事も覚え始めて、
Aさんとシフトが同じ日も増えた。
出会ったときはすごく気まずかったけど、
あの対応も人見知りがあったからなのでは?
と思って、だんだん打ち解けられればいいな
くらいに考えてた。

あまい。
Aさん、全然喋らない。
話題を振ってみても、マイナスな意見だけ
ぴしゃりと浴びせられK.O.
仕事で失敗すると、厳しくて冷たい態度を
とられるだけで精神的にK.O.
もはや仕事でわからないことがあっても聞けなかった。

ごく稀に、振った話題に乗ってきてくれることがあったけど、
なかなか目は合わせてくれなくて、
会話も続かなくて、もはやこちらは
コミュニケーションというものに悩み始めた。
しかも、
前から働いているアルバイトの人達には
めちゃくちゃ話すし笑うしだったから、
なんかつらくて悔しくて。

新人にはあまり心を開いてくれない人か、
って半分諦めてたけど、
一緒に働く以上やっぱり話しやすい関係には
少しでもなりたかったから、
仕事を必死に完璧に覚えて、
距離感考えながら接するようにしたけど叶わなかった。
余裕で会話終わるし目は合わない。おけです。

もはや、反面教師。
Aさんから学んだこととしては、

・新しく入ってきた人には心細い思いをさせない。

・目を見て話す、笑う。

これの重要性。

身をもって経験したからこそ、
改めてこれがどれだけ重要かわかったので、
良い出会いだったと思います。

Aさんは今違う現場で働いているから
会うことはまったくない。
世の中にはコミュニケーションにおいて
不器用な人ももちろんいるけど、
接客業をしている以上、
本当に基礎的というか人を悲しませない
コミュニケーションは可能なのでは。

今後教育という立場があるなら、
誰にとっても居心地がよくなるように
努めていきたい所存ですな。

おわり。

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