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夢の中にはもうひとつの幻想がある(一)

こんな夢を見た。

タルマーリーというパン屋に行きたくて、山陰の山奥を目指して電車に乗っている。パンなんて普段はまったく食べないくせに夢に見たのは、店主の格さんが書いた「腐る経済」の本のことを最近考えていたからだろう。

乗り換え駅の切符売り場で、出張先へ向かう途中のかつての仕事仲間とばったり会う。聞かれてもいないのに「たまたまね、旅行でね」なんて、言い訳みたいに言ってみる。

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