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今日は5月8日の日記ではない「二月五日、天文学部、卒」

 期待した私が馬鹿だった!

 最初から最後まで馬鹿だった。満ちて消えゆく波の、端から端まで馬鹿だった。

 なんと書いたかもう思い出せない。ただペン先の向く方向に、指を走らせていただけだった。彗星瞬く夜空の、その逆の色相を撫でていた。

 硝子のボトル。私の想いを詰め込んで、私の右の掌に佇む。よもや風も吹かないが、風に揺られるみたいに、夜の海は漂っている。その青さも、波打ち際の白さも望めないけれど、ただ慣れ親しんだ星々を眺めるには、いつもここがよかった。

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