【カンテレ演奏動画】『カレワラの詩歌(Калевальская руна/Kalevala Rune)』
カレリア共和国首都ペトロザボーツク周域で発展した、クロマティック・カンテレの演奏動画を紹介していきます。
最初に紹介するのは、クロマティック・カンテレを習う人、誰もが憧れるこの曲、『カレワラの詩歌(Калевальская руна/Kalevala Rune)』。
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『カレワラの詩歌(Калевальская руна/Kalevala Rune)』
伝承曲(Traditional)
編曲:イリーナ・シシュカノヴァ(Ирина Шишканова/Irina Shishkanova)
演奏:イリーナ・シシュカノヴァ
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『カレワラ』で知られるフィン・カレリアの伝統詩歌ルノラウルの旋律を、カンテレ奏者イリーナ・シシュカノヴァ(Ирина Шишканова/Irina Shishkanova)が、ソリスト用にアレンジした曲です。上記は本人の演奏。
イリーナ・シシュカノヴァは、カレリア共和国 国立芸術団体「歌と踊りのアンサンブル・カンテレ」のソリストとして長く活躍し、芸術大学での指導や、カンテレ教本の作成など、クロマティック・カンテレの普及・発展に貢献してきました。
今でもSNSを通じてカンテレの歴史に関する情報を発信するなど、カンテレを愛する人々にとって、常に先導的な役割を果たしてくれています。
伝統詩歌ルノラウルの旋律のアレンジは、カレリア、フィンランドともに多く存在しますが、彼女の編曲はカレリアで圧倒的な支持を誇り、クロマティック・カンテレを演奏する人であれば、誰もが憧れ、民族の誇りを表現する1曲としてレパートリーに加えています。
Youtubeでも多くの人の演奏を見つけることができますので、聴き比べてみてはいかがでしょうか。
こちらは、アンサンブル・カンテレのソリスト、アナスタシア・クラシーリニコヴァ(Анастасия Красильникова/Anastasia Krasilnikova)の演奏。
同じくアンサンブル・カンテレのソリスト、エレナ・アンヒーモヴァ(Елена Анхимова/Elena Ankhimova)。
お次はアンサンブル・カンテレのソリストを経て、現在はご夫婦で「アンサンブル KANDELEH」の名で活動する音楽家、ヴィクトリア・二ジュニク(Виктория Нижник/Viktoria Nizhnik)の演奏。
最後はカンテレを勉強中の学生、アンナ・トゥリュモヴァ(Анна Тютрюмова/Anna Tytrymova)ちゃん。4年前の動画なので、きっと今はもっと上手くなっているでしょうね。
2021/9/24 追加
アンサンブル・カンテレのソリストを経て、現在はムルマンスク・フィルハーモニー管弦楽団のソリストであるイリーナ・ヴァラコスラーフスカヤ(Ирина Волокославская/Irina Volokoslavskaya)の演奏を追加します。
Facebookに登録がある方は、ムルマンスク・フィルハーモニー管弦楽団のFacebookページで動画が紹介されています。
こちらの動画はラジオの公開収録の様子ですが、09:05~11:19間に『カレワラの詩歌』を演奏しています(途中まで)。
『カレワラの詩歌(Калевальская руна/Kalevala Rune)』というタイトルでおなじみですが、イリーナ・シシュカノヴァの教本では『詩歌 - カレワラの詩歌を基に(Руна - на тему калевальской руны)』と記載されています。
その名の通り、『カレワラ(Kalevala)』をはじめとした伝統詩歌ルノラウルを朗唱する際の旋律のうち、もっとも著名なメロディを基にしています。
フィンランド語、カレリア語で「詩」を表す語は "runo" ですが、厳密に言うと "runo” が表すのは、あくまでも意図的に創作された、いわば芸術性評価のための「詩」です。現在では伝統詩歌のことを "runolaulu” と表して区別しています。
ロシア語の"руна" は、基本的には祖ゲルマン人が残した「ルーン文字(Rune)」を意味しますが、ロシア・カレリアにおいてはカレリア語の"runo" がキリル文字として遺され、これらの伝承詩歌を意味する語として定着しています。
伝統詩歌(runolaulu)や物語(kerotomus, tarina, satu)、格言(sananpolvi)、ことわざ(sananlasku)、謎々(arvoitus)、呪文(loitsu)等、言葉を用いて人を導いた賢人のことを古フィンランド語、古カレリア語で "Runoi” と呼んでいました。
詩歌の口承伝統が途絶えた現在、"runoi” という語は使われることはありませんが、"руна" の複数形 "руны" という語を見るたびに、ふと古の知恵者たちを感じてしまいます。
私にとっても、憧れの1曲。
いつかこの曲を弾けるようになることを目指して、練習頑張ります。
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