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【カンテレ演奏動画】組曲「ケルティック・ダンス」より 2楽章(Сюита "Кельтские танцы" № 2 / Suite "Celtic Dances" № 2)』

今回紹介するのは、カンテレの類似楽器であるロシアの民族楽器グースリ(Гусли/Gusli)のための組曲「ケルティック・ダンス」より 2楽章(Сюита "Кельтские танцы" № 2 / Suite "Celtic Dances" № 2)』です。

作曲したのは、サンクトペテルブルク出身の作曲家、グースリ奏者であるコンスタンティン・シャハノフ(Константин Шаханов / Konstantin Shakhanov)

演奏活動に加え、翼型アカデミックグースリの普及と教育にも力を注いでいるシャハノフは、自らグースリのために様々な曲を手掛けています。組曲「ケルティック・ダンス」もその一つ。

さまざまな民族が暮らしているロシアには、グースリ以外にもカンテレの類似楽器が様々あります。例えばウドムルトのクレース(крезь)、山地マリのカルシュ(кӓрш)、牧地マリのキュスレ(кӱсле)、チュヴァシのキョスレ(кесле)など。それぞれの類似楽器の紹介はまたいつか。

こうした類似楽器は各地でそれぞれ発展を遂げていきますが、特に芸術音楽を志す学生の課題曲には、類似楽器の楽曲が借用されることもしばしば。組曲「ケルティック・ダンス」2楽章はその代表例です。

カンテレ演奏動画の前に、まずはシャハノフ氏とロシア民族オーケストラとの共演動画をどうぞ。

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組曲「ケルティック・ダンス」より 2・3楽章(Сюита "Кельтские танцы" № 2, 3 / Suite "Celtic Dances" № 2, 3)』

作曲:コンスタンティン・シャハノフ(Константин Шаханов / Konstantin Shakhanov)
指揮:ヴィクトル・アクロヴィッチ(Виктор Акулович/Viktor Akulovich)
演奏:民族楽器オーケストラ ”トゥーラ”(Оркестр Народных Инструментов "Тула")
グースリソロ:コンスタンティン・シャハノフ(Константин Шаханов / Konstantin Shakhanov)
2020年
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アカデミックグースリはピックを用いて演奏するので、オーケストラとの共演しても音が負けることはありません。

それにしても、美しい旋律です…!

お次は、ムルマンスク・フィルハーモニー管弦楽団のソリストであるイリーナ・ヴァラコスラーフスカヤによるソロでの演奏動画。

1曲目(02:25-05:32)がケルティック・ダンスです。

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組曲「ケルティック・ダンス」より 2楽章(Сюита "Кельтские танцы" № 2 / Suite "Celtic Dances" № 2)』

演奏:イリーナ・ヴァラコスラーフスカヤ(Ирина Волокославская/Irina Volokoslavskaja)
2020年
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お次はアンサンブル「カンテレ」のソリスト、アナスタシア・クラシーリニコヴァによる、自然と一体化した演奏動画です。

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組曲「ケルティック・ダンス」より 2楽章(Сюита "Кельтские танцы" № 2 / Suite "Celtic Dances" № 2)』

演奏:アナスタシア・クラシーリニコヴァ(Анастасия Красильникова/Anastasia Krasilnikova)
2020年
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ちょうどコロナが蔓延する直前、モスクワに2週間滞在してロシア語の勉強に加えてアカデミックグースリのレッスンを受けました。基礎的な演奏技術を教えてもらいながら感じたのは、ロシアの音楽教育の底の深さ。芸術音楽分野での民族楽器の演奏技法は各地で研究されてきていますが、フィンランドのカンテレよりもはるかに先を進んでいるなぁと実感するとともに、一端に触れることができてかなり勉強になりました。・・・だからと言って、音楽の才があるわけではないので演奏は相変わらずヘッポコですが。

ロシア内にあるカンテレ類似楽器を少し紹介しましたが、そもそもグースリだけでも”楓造りの”グースリ、翼型グースリ、兜型グースリ、鍵盤グースリ、卓上クロマティックグースリ、と種類はさまざま。奏法や演奏する楽曲もそれぞれです。

カンテレを含めこうした無棹撥弦楽器の多様性は本当に奥深く、演奏だけでなくそれぞれの発展過程や歴史をのぞき見するだけでも興味はつきません。

>> クロマティック・カンテレあれこれ

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