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これからどうする?身近なことから思う大きな目標について。

家には小さいけれど、自慢の素敵な庭があった。私の部屋は陽が良く当たる角にあって、二つある窓から庭を一番楽しめた。
垣根として山茶花が5-6本植えられていて、その下には長い年月をかけて、様々な花が根付いて春夏秋冬、道行く人も楽しませていた。

お気に入りは私の部屋の窓のすぐ下に一角におとずれる春。一番に雪柳が小さな白い花を咲かせ、次に玄関の方にある沈丁花が鮮やかな香りを届けてくれて、最後にすずらん達が顔を見せる。

私の住む町は雑木林が多く残る、都会のベットタウンだった。
私の家の前も雑木林で、そこは私の部屋から見えるもう一つの庭だった。若葉から、青々とした緑に変わり、アッと言う間に赤や黄色に色を変えて、冬は落ちた葉っぱで地面がフカフカになった。
近所の子たちと秘密基地を作ったり、木の実やツルを取りに行ってリースを作ったり子供らしい思い出ができた自慢の庭だった。

今はもうどちらの庭もそこにはない。
最初に雑木林が姿を消して、ガソリンスタンドとコンビニになっちゃった。
私の小さな庭は両親が移り住んでお隣さん地のものになって、私の庭にあった植物たちを一つも残してくれなかった。

こんな風に緑を失くしたのは私のだけではない。
素敵な大きなお家の庭も、土地が2分割とか4分割にされて家がぎゅうぎゅうに建てられて、緑が入る余地はどこにもない。
雑木林では木が切り倒されて更地になると大半は運送会社の駐車場になる。もっと悲しいのは木だけ切り取って結局なににもならないで空き地になってしまたところ。なんのために木は切り倒されたのか?草が無秩序に生えるので定期的に刈る手間がかかっている。林のままなら循環されるのに。
そんななんでもない場所にはコンビニ袋とかおにぎりの包みとかちゃんと捨てられずにでたプラスチックゴミが集まってくる。

脱炭素もEVもいいけれど、身近なところに目を向けられないようでは絵に描いた餅になっちゃうよ。

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