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決して役には立たない作文

読みたいことを書く、と言ったのは誰だったか。
SNSで目にしたのか文豪の言葉か定かではないが、ストンと落ちてきたその言葉に導かれるようにnoteに登録してしまった。

ワーママ1年目アラサーが読みたいことなんてそりゃあもう。
時短レシピ、時短家事、時短スキンケア、時短リフレッシュ、時短仕事術。

うん読みたいね書くか!…となるわけもなく、胡散臭い時短がゲシュタルト崩壊しているのみ。
読みたいこと、つまり情報に困窮していることについては、大したことは書けない。

でも。
読みたかったことを書きたい。
人生壮絶にずっこけてたあんなときやこんなとき、わかるわーでもあんた大丈夫よガハハと共感を求めていたときに読みたかったこと。バカバカしい失敗談と笑い。
早く切り上げたい上司の過去の長話と紙一重だけど。

居酒屋で語られたら迷惑だろうけど、コーラ片手にスマホで読むぶんには、未来ある若者にも煙たがられることはなかろう。

遠い昔、旅先で考えたことだの、海外文学批評だの、社会構造分析だの、上品で優秀な作文ばかりが並ぶ高校の文集に、ひときわ場違いな「癖っ毛って困るよね」みたいな弊作文が載ったときに聡明な友人が、「みかんじぇるの文章はおもしろい!」と爆笑してくれたことがある。思えばその弊作文も、癖っ毛にまつわるバカバカしい失敗の歴史の羅列であった。

今や南十字星の見える遠い国で活躍する聡明な友人の役に立っていないことだけは確かである。

それでも、笑ってくれた友人に10何年の時を経て背中を押されて、一歩。

少しだけ、お付き合い下さいね。


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