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【北欧生活記】戦争ではなく住民投票で和解したデンマークの街



8月15日の今日は終戦記念日でした。


戦後78年となり、戦争を実際に経験した世代の方々の声を聞くことが減っていっていく最中にある昨今。

だからこそ、戦争の恐ろしさを新たな世代にも伝え続け、平和を目指し続けることがより重要にも関わらず、
安全保障に関する文書の改定、防衛費の増額など、日本が本当に目指しているものはなんなのか、
日本の未来を考えると恐ろしく感じてしまいます。


私の祖母はありがたいことに心身共に元気で、
いつも会うと「会いたかったよぉ」と手を握ってくれる穏やかなおばあちゃんですが、会うと必ず話すことがあります。
それが、戦時中地元和歌山大空襲で逃げ回り、焼夷弾が右にも左にも落ちてきたという過去の体験。

その話だけは必ず毎回。それだけ強烈で残酷で恐怖で、
78年経った今でも忘れることのない記憶として刻み込まれているんだと思います。


銃を使わず、住民投票を使った


幸福度上位国であるデンマークで1年間生活する中で、
Sønderburgという、デンマークとドイツの国境に近い街に3ヶ月ほど滞在しました。


今ではデンマーク領土であるこの街もかつて、1864年のドイツとの戦争よってドイツ領となった街。
市の図書館や中心地にある幼稚園はドイツ語で運営されている機関も今なお多くありました。

1920年にこの街を含め約4,000㎢がデンマーク領として復帰しましたが、その領土を決めた方法がなんと住民投票

それまでにも2度ドイツと戦争を行い、悲惨な領地争いがありましたが、
当時デンマーク領に戻りたいという住民の意思は、
脅迫や武器という醜い方法で決めるのではなく、
そこにいる住民の想いだけを指標に多数決で決められた

最も平和的な国際問題解決で戦争を免れた成功例と言えると思います。

国民の想いが届きますように

国のトップが政策を決め、いとも簡単に知らぬ間に、操作してしまう。
近いように見せてまだまだ余りにも遠すぎる席に、
国民の平和を願う声はしっかり届いているのだろうか。

本当に、想像なんて私ができるわけがないほど悪夢の光景だったんだろうな。
おばあちゃん、どうか今日はいい夢を見てゆっくり休んでね。

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