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今を生きる【デンマーク記:幸福】

心配性の私が人生相談をするとき、決まって姉は
「もっと今を生きなよ」とアドバイスをくれた。


デンマークでの気づき

”幸せの国”そう呼ばれる理由が知りたくて
デンマークに来て約3ヶ月が経つ。
毎年、国連が発表する世界幸福度ランキングの上位国に入る理由は本当に幅広く、さまざまな理由があると思う。
中でもその理由の一つにあると感じることが、
デンマーク人は「今を生きている」
それは「今を楽しむための整った環境と制度がある」ということ。



ゆりかごから墓場までの安心感


デンマークは高い税金の元、高福祉国家が成り立っている。
消費税は25%、所得税は40〜50%、自動車税は280%と驚くほど高いけど、選挙から国民はこれに十分納得していることがわかる。
その理由は、例えば
0〜18歳までは教育費無料、医療費無料
老後は家族が介護をするという概念はなく、地方自治体が一人一人に積極的に関わる。

社会的弱者を含む全ての国民にとって「ゆりかごから墓場まで」の整ったこの制度による、毎日の生活への安心感はかなり大きいと思う。

その安心感はきっと未来への不安を払拭し、
今ここ、この瞬間を楽しむ余裕を
大切な人と過ごす愛おしい時間を
本当に自分がやりたいことをする機会を
十分に持ってるんじゃないかな


今に強烈なスポットライトを当てる


最近読み直した本に、ハッとさせられた一説がある

自分が劇場の舞台に立っている姿を想像してください。
この時会場全体に蛍光灯がついていれば客席のいちばん奥まで見渡せるでしょう。
しかし、自分に強烈なスポットライトが当たっていれば、最前列さえ見えなくなるはずです。

われわれの人生も全く同じです。
人生全体にうすらぼんやりとした光を当てているからこそ、過去や未来が見えてしまう。

もしも「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てていたら、過去も未来も見えなくなるでしょう。
われわれはもっと「いま、ここ」だけを真剣に生きるべきなのです。
嫌われる勇気/岸見一郎,古賀史健



ぼんやりとしたライトの先に見える不安


「自分の身に何かあった時のために、子どもを育てるために、老後のために。」
デンマークの豊かな現実を知る一方で、
また始まるであろう日本での生活に時々強い不安感を抱いてしまう。


そんなことを考える時の自分は、自分自身にかすかなスポットライトしか当てられていないのかもしれない。
今の自分に、強烈なスポットライトを当てる勇気が欲しい。
あわよくばデンマークのような制度があれば
きっと大きな勇気付けになるだろうな、なんて思いながら
.



ps.今日クラスで「dead poets society(いまを生きる) 」を鑑賞した。
学校と親からの強い圧力で敷かれたレールを強いられた学生たちと、
自分らしく生きることを伝える愛深い型破りな先生との絆に感涙でした。


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