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【阪南大学】4年越しの卒業式で感じた「滑り止め大学」の強さ


2020年の2月、感染症拡大の影響により
大学の友達との卒業旅行先を韓国から福岡に変更し、ホテルでのんびりしていた時に届いた1通のメール

”卒業式中止のお知らせ”

「ぅぇええええ!」

驚きと共に悲しくて寂しくて、数分は友達に「そんなことあるぅ?」と駄々をこねて、そんな私を見る友達が爆笑していた風景を今でも昨日のことのように覚えています。

そして2023年末に実家のポストに届いた

”コロナ禍での約束”

当時中止になった2019年度卒業生を含めて
今年の卒業式を執り行いますという
母校からの4年越しの卒業式のご案内に
「そんな約束があったのか」と、思い出せない記憶を探りながら、せっかくだから行こうよ〜と軽い気持ちで友達に声をかけました。


苦手な質問トップの「大学どこ?」


私の母校は大阪は松原にある阪南大学というところです。
「というところ」とつけたのは、大阪府民でなければ知っていることの方が珍しいほど、例えば関関同立に比べれば知名度も偏差値も低い大学。

大学にいる頃から今までずっと、苦手な質問トップ3にランクインしていた「大学どこ?」って初対面で聞かれるあれ。
幸いなことに私が属するコミュニティではほどんど聞いてくる友人はいなかったけれど
それを気にする自分が一番大学名を気にしていたんだろうと思います。

小規模大学の超大規模会場での卒業式

2024年3月18日 卒業式当日
場所は、大阪城ホール。
名だたるアーティストが関西でライブをするとなると必ず候補に上がる会場です。

収容可能人数1,6000人の会場を、在籍学生数ひと学年1000人前後規模の大学が借りるというとんでもない状況下、
キラキラとちょっとギラギラが混ざり合わさったような、前に立つ方の話を退屈そうに見る(もはや見てない)今年度卒業生をじっと見ていました。

卒業証書授与で呼ばれる「流通学部、経済学部、国際観光学部、、etc.」
それらが呼ばれるたび「何を勉強してきたんだろうなぁ、いいなぁ、、、」と
彼らが一斉に立つたび「どんな想いなんだろうなぁ、どんな道を行くんだろうなぁ、、」と
勝手に思いを馳せました。

保護者でもない、教授でもない
4年前に卒業した人(一応今回の卒業生。立場がレアすぎる)

2019年度卒業生代表として友達が答辞を読む声は、少し他所行きで震えて聞こえたけれど
コロナ禍での社会人を経験した彼女だからこそ紡げる想いと感謝を胸いっぱいに伝えた後の学長の頬に伝うものが、
どれだけ素敵な大学だったかを思い知らせてくれました。


「第一志望じゃなかったですが、、、」

卒業式の後は、卒業イベントとして著名人が来てくれたり(盛り上げ方がさすがすぎた)阪南大学附属高校の軽音部の方達が歌ってくれたり(リードするOBさんが一番気持ちよさそうだった)ダンス部の方達がダンスを披露してくれました。(好きなことする人はやっぱ輝いてる)

そんな中で、準備の合間のインタビューで強く印象に残った卒業生がいました。

話し方から感じられる人となりのよさと、
一言一言から感じられる謙虚さと
肩書きから知る強い責任感を持ち得た卒業生に
「しっかりしてんなぁ?」と友達と言ってしまうほどで(完全に叔母)

その人が話していた一説
「こんなことをいうのはあれですけど、第一志望じゃなかった阪南大学だったけど、、、(いい話に続く)」

友達もヒソヒソと
「確かに阪南って、第一志望行けなかったっていう、そういう子多いらしい。先生も言ってた」
って言葉に「うんうん」と静かに頷き返しました。

私自身も正真正銘”そういう子”所属。
当時はずっと、大学名を言うのに恥じらいがありました。それは偏差値うんぬんもあるけれど、何より
第一志望に受かれなかった自分に恥じらいを感じていたからだと思います。

ただその時、舞台で話している卒業生を見て確信したこと。
今、目の前で堂々と話す彼や“そういう子”たちはきっと
「第一志望に行けなかったことに意味があった」
のであり、「第一志望に行けなかった子が多いからこその素敵な阪南大学」なのだと。

(私1人の、1つの見方です)


もちろん、第一志望に合格したことで得られることは、私が体験したことがないからわからないけれど、
きっと結果を見た瞬間、頭に小鳥を、お腹にウサギを飼い始めたくらいのワクワクドキドキで
とんでもない喜びなんだろうなぁと思う一方

第一志望に不合格したことで得られることは
本命大学の不合格通知を見た時の脳内の一旦停止と、その直後に押し寄せる真っ暗闇で滲んだ世界にいたその4年後、それよりもその先に、必ずわかる日が来る。

県立高校一斉結果発表


昨日、地元和歌山では県立高校の一斉結果発表があったようで、テレビには「今年最後の張り出し結果発表」との文面と共に
小鳥とウサギが見えてきそうなほど受験生が喜びを大いに表現していました。
心からの「おめでとうございます」と、とんでもない努力だったんだろうと本当に本当に尊敬する一方で、

画面上にははっきりと見れなかったけれど、
私はまた勝手に、想いを馳せたくなります。
晴れ晴れとした空の下、突然真っ暗闇で滲んだ世界に飲み込まれた受験生に
「その抱えきれないほどの悔しさにこそ意味がある」のだと。

親愛なる母校 阪南大学

この4年間、2019年度卒業生を忘れず
莫大の予算と時間と労力をかけて、
誠心誠意対応してくださったことに
心より感謝申し上げます。

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タイミングが重なり、私も今年の卒業生と同じようにこの春から新天地でチャレンジすることとなりました。

阪南大学が魅せてくださった姿勢と
4年ぶりでも変わらぬ先生方の温かさと
阪南大学とご縁を頂けた感謝を胸に。

いつかお返しできる日が来ればいいなぁ。






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