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【おすすめアニメ】アニメ好き女子の『ブルーピリオド』1話感想

絵を描く悦びに目覚めてみた


真っ黒な画面に、白い文字でそう書かれて始まった
1話。これが1話のタイトルらしい。

この一文で心が掴まれた。

1.タイトルについて


このアニメでは、
絵を描くんだ
それを悦びと感じるようになるんだ
目覚めて"みた"ってことは、縁もゆかりも無い美術への第一歩かな
チャレンジできる主人公っぽいな
お試し感覚で描いた絵が「悦び」に繋がる出来事ってなんだろう

って想像が広がる1文。タイトル。
1話にふさわしいタイトルだな〜

ただ、この一文が、黒い背景に、白く、少し細めのフォントで描かれるだけで、言葉の割に「悦び」に目覚めたワクワク感、キラキラ感よりも、これまでが暗かった、虚しいかのような印象が強く残った。そしてどこか漂う緊張感、不穏感は、未知への目覚めによるもの、あるいは今後の美術生活が上手くいくことばかりではないことなのかな、なんて思いました。

こんな感覚を一瞬で与える出だし。構成が素敵!

(と思いたくて、私が何か感じようとしすぎているのかもしれないけど)


と思う間に、仲間と夜中にスポーツ観戦からのラーメン屋という生活。そして遊んでいる割に優秀な学校の成績と付き合いで吸っているタバコ。私立は無理だと言われる家庭環境、親子関係。


  基本なんでも出来るけど満足感は無い日常
  普通であるべき
  〜しないといけない
  楽しんでいるように見えて気を遣いすぎる

帰宅したときの「疲れた〜」には、
それらが全部詰まっている気がする。

2.よろこびのきっかけ

タイトルの話に戻ると、
よろこびにはさまざまな表現があるが、
ここでは「悦び」と表現している。

一般的には「喜び」が使われるが、敢えて「悦び」にしたのは何故だろう?

私が思う「悦び」は、

・自分がしたこと、他者にしてもらったこと
への「満足感」
・他は関係なく、自分の中楽しみ嬉しさなどが自分の中に込み上げてくる感覚(自己完結的)

が他の表現よりも強く込められているイメージ。

つまり、虚無感に包まれた日常の中で、絵を通じて、自分の作りだした物による「満足感」や「楽しさ」が込み上げてきたから「悦び」にしたと考えられる。

ある程度、や、普通、家庭や友人などの人間関係を優先しがちな思考の癖
何事もなく円滑にクリアすることがいつの間にか第一目標になる生き方

しかし、好きなことを見つけて、自分が作った物による自分の感覚だと実感したとき、一瞬でも自己中になって決断する

選択をする時の自己中力、自己判断力、決定力は
私には欠けがちな力。
堅実な選択、喜ばれる選択が出来ても、自分自身が心の踊る選択、悦べる選択は難しく感じる。

他者が喜ぶ事や、人と歓ぶこと、人を慶ぶことだけでなく、もっと自分の「悦び」という感情を知って、大切にできる人になりたい…

楽しさやよろこびがどこから来て、
その感情をどう振り返るか、
何にどう繋げるか

何かを評価する時、振り返る時、
上手くいかないことや出来ないこと、失敗の原因
に目が向きがちだけど、
よろこびや楽しさのきっかけを理解することで深まることもあると改めて思った。

♪ジコチューで行こう!/乃木坂46 や
♪きっかけ/乃木坂46
が頭で流れる。
そんな1話でした。

3.どんな時にラーメンを食べる?

話はガラッと変わって、
次はラーメン屋のエピソードについて。

にしても、高校生の時からあんなオシャレな所で
友達とスポーツ観戦できるなんて羨ましすぎる!!

ラーメン屋さんで、ピカソ展の広告を見て、
ピカソの絵を簡単に描けそうと思う感覚。
分からない絵についてそう思う感覚は本当に共感。誰でも描けそうな絵を誰も描いて来なかったからこそ、すごいのは重々承知なんだけど。

それは置いといて、オール明けのラーメンとやらを私は体感したことがない。
そもそも、ラーメン屋でラーメンを食べた記憶も
…ない。
忍道を曲げない男の子が、先生や師匠、好きな仲間と食べるラーメン屋さんしか知らない。
そこまで言うと嘘かもしれないけど、
ちっちゃい頃に家族で行ったのは、連れられてしかたなく…という感じで、ラーメンに課金する感覚がない。


ということも置いといて、友達同士で
「近くのラーメン屋食べいこ!」
「締めラーメンしよ!」
という会話を聞くと、
学生らしいな〜、仲良さそうだな〜と思う。

カウンター席で店員さんと向き合いながら食べるなら、正直1人でも複数人でもいいのでは?
てかそもそも、ラーメンって胃もたれすごそう。
と思うことが多い。
そんな私だけど、アニメでラーメンのシーンを見るとなぜか自然と青春を感じる。
私の生活では、アオハルはまだ来てない模様。

とか言ってるけど、一人で食べている姿もなかなか良いと思います(突然の強がり)

一人でラーメン屋に来る人を見て

行きつけなのかな?  
息抜きの時間なのかな?

…とか思うとその人の生活が垣間見えて楽しい。
職業人間観察にしたい。

ラーメン屋に限らず、同じ方向を見ながら落ち着いて、安心して、無言も、意味の無い会話も楽しみながら食事をできる関係性っていいな。


4.ブルーピリオドに込められた意味

ここまで感想を読んでもらえばわかる通り、
この作者様、相当青春の爽やかさと苦しさの描き方が結構リアル。
そしてその爽やかさと苦しさ、虚しさのある青春の時期、そして主人公のクールだけど気疲れや苦悩もある様子を、『ブルーピリオド』(青の時代)と名付けてくれた作者様!!素敵です!
ありがとうございます!!!!

爽やかさも、虚しさも、クールさも、苦悩も青で表現されることが多いし、ピカソの「青の時代」は、ピカソ本人も悩みもがいている真っ最中だったから、色的にも内容的にも命名センスに感動。

5.人生における『ブルーピリオド』

そして、数年の青の時代を経て、ピカソはその後も色々な作風、モチーフをテーマで長年アートの道を歩むことから、『ブルーピリオド』の物語でも、人生の中の数年という儚さ、刹那と、他の時期のための土台にもなる大切な時期を表現しているのかとも思う。

終わりがあるから始まりがあるって、こういうことだよね、きっと。


『ブルーピリオド』で描かれる、リアルな様々なブルーにはきっと多くの人が共感できる。
このアニメを見ている人が、どう思いながら見てるのか、気になるところだな〜


気になってるけど実際どうなん?
1話は見たけどそういえば見なくなったな〜
という方、
その信号、押しボタン式なら、私が青にします。
是非、私を信じて進んでみて!!

なんてね!青臭いけど言ってみたい!笑

とりまラーメン屋行かない?

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