平面的なビックバン
たぶん、世界は白いキャンバスだった
そこに絵の具を塗ったら朝が来て
朝日がビビッドな世界を照らした
色があるっていいね
レンガの道と剥き出しの土
新緑の葉に黄色い花
灰色のビルに黒い車
それに、青い空と白い雲
空をなぞってみる
雲は自由に漂っていた
無邪気だなぁと人が言う
通り過ぎた後は虚しくて
何もない青に
誰かが零した赤が滲み広がる
三毛猫の影は伸びて
空に浮かぶ鮮やかな魚を追っていた
影と光は弱くなって
宇宙と地球の隙間に紫の花が咲く
もう帰らなきゃ
世界は夜に塗り替えられる
日々の営み、平らな世界
テレビの音の水たまり
誰かの笑い声が溶けて消える
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