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シンプルに

阿佐ヶ谷のライブにお邪魔した時の衝撃が大きすぎるので久しぶりにnoteを書いた。

最近色々な芸人さんを知る機会があり、
せっかくだからネタを見てみようと思いライブにお伺いしてみた。

見たい時に面白いネタを見られる吉本の劇場に慣れてしまった私的には、よその畑に1人で飛び込む事はかなり勇気がいることだった。

ついてみて衝撃だったのが会場の溶け込み方だった。
阿佐ヶ谷という土地柄もあるのかもしれないが、芸人さんに会わなければ多分3回くらい会場の前を素通りしていた自信がある。
下北のミネルヴァや、GRIPとも違う不思議な雰囲気が漂っていた。

演者と裏方、一般人は違う。

と前職で徹底的に刷り込まれている私には理解できなかったが、演者さんとお客さんの出入り口が共有で、ほぼ一方通行だったからそれはそれでドギマギした。

吉本などの大きめの劇場でスタッフさんが忙しなく動いているのはよく見ていたが、演者さんが裏方業もこなす姿を見て不思議な気分になった。
さっきネタをしていた人が途中入室のお客さんの案内をしている状況がとても不思議だった。

出番が終わると芸人さんが舞台袖で他の芸人さんのネタを見ているのがとても印象的で、
しれっと空調を管理していたり、途中入室のお客さんの誘導をしている姿を見かけた。

なるほどな、と少しだけ合点がいった。

前提として、「どこの事務所が」とか「どこの芸人は」と言いたいわけではない。

ただ、自分達で整えることを知っている演者さん、自分達で自分の立ち位置を作ってきた演者さんは強く、
苦しかった頃のお話を聞くと必ずこうしたライブで苦労したというお話が挙がる。

裏方の端くれとして色々な方を見ていたが、いざという時の対応力が凄いと噂されていたのはこうしたフィールドで自らを開拓してきた人ばかりだった。

トラブルにも柔軟に対応していて、
当日の無茶なお願いも笑顔でこなす、
こちらの予想をいい意味で裏切ってくれる面白さ、
そして周りを見て意図を汲んでくれる

私が課題に出される企画書のキャスティング案で名前を使い回し、大先輩のディレクターが頼りにしていた演者さん(芸人さん)方はこうしたライブに潜んでいるのかと感じた。

今、ランジャタイさん、モグライダーさん、真空ジェシカさん、マジカルラブリーさんなど、「地下で活動してきた」と世間が言うような芸人さんがどんどん輝いている。

どこで活動していようと、面白ければ売れる。
ちゃんと誰かに刺さる。

私の願いは至ってシンプルで、
あの日あの場所で私が見た芸人さんの誰かが、
テレビで活躍してる姿を拝見できますように。

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