中編:京都でのあの強烈な体験を私は忘れない
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過去世の声を聞いてから5年が経った今年の5月、再び京都へ行った。
今回ももちろん、京都御所には行こうと思っていたのだけれど、あいにくその日は京都御所の休止日。そのため、今回は晴明神社、そして五重塔の内部が公開されているという東寺へ行く事にした。
実は晴明神社に行くのは今回が初めて。
個人的には映画『陰陽師』のイメージが強いためか、境内はもっと重苦しい空気が漂っているのかと思っていた。けれど実際に行ってみると全くそうではなく、むしろ非常に清々しい気持ちで参拝する事ができた。また、五芒星を見る度になぜかポップな気持ちになり、こっそりニヤニヤしてしまった。
そこから東寺へ。東寺には過去に一度行った事があり、巨大な仏像に圧倒された記憶はあるけれど、それ以外特段深い思い出はなかった。
とはいえ今回、東寺内にある五重塔の内部も見られるという事で、一体五重塔内部はどうなっているのか、そしてそれを見た時に私はどんな反応をするのか、少し楽しみだった。
東寺に到着すると、その中でもメインの建物である講堂、金堂、五重塔、この順番で拝観する事に。
まずは講堂。
講堂の扉を開け中へ入ると、一瞬にしてそれまでとは全く違う空気感・エネルギーを感じた。
そして、大日如来や不動明王、金剛法菩薩といった巨大な仏像達が、ある規則性を持って並んでいる光景を目にしたその瞬間、なぜか私一人だけが、ポツンとそこにいるような感覚に陥った。講堂内にはたくさんの人がいるはずなのに。
すると、一瞬にしてその場が広い宇宙のような空間となり、講堂内で一番大きな仏像、大日如来さまが私にこう語りかけてきた。
あなたが今こうして健やかに過ごせている事に感謝しなさい
あなたが今こうして京都の地に来れている事に感謝しなさい
あなたはこの地球にとってかけがえのない存在です
こうして生きている事自体素晴らしいのです
だからこそ、自分の命を精一杯全うしなさい
あなたは一人ではありません
何百年、何千年と移り変わる時代の中で
たくさんの人に支えられて生きているのです
いつもそばにいます
大丈夫、安心してこの地球を生きなさい
まるで、今までずっとそばで見守って下さっていたかのような、それほどに温かくて愛おしくて優しいエネルギーが私を包んでくれた気がして、その瞬間からとにかく涙が溢れて止まらなかった。
5年前、京都御所で大泣きした時以上にワンワン泣いた。
泣いても泣いても涙は止まらず、化粧が全て落ちるんじゃないかと思うくらいに泣いた。
ハッと我に返り、ようやく広大な宇宙から、東寺の講堂に私の意識が戻ってきた。けれど相変わらず号泣は続いていたため、さすがに拝観されている方々に迷惑がかかると思い、講堂を後にした。
講堂を出て外の空気を吸っても、まるで温泉に入っているかのようにポーッとして、何も考えられなくなっていた。
まだ金堂と五重塔が残っている・・・。
イケるか私?
そう自分に問いかけながらも、せっかく来たのだから講堂だけで終わる訳にはいかない!
そう思い直して、何度か深呼吸をしてから、金堂へと進んだ。
金堂も講堂同様に、建物内に入った瞬間から、物凄いエネルギーを感じた。けれど、講堂で散々泣きじゃくったのだから、さすがに金堂では泣かないだろうと思っていた。にも関わらず、金堂内で一番大きな薬師如来を目にした瞬間、再び涙が溢れ始めた。正直、”もう勘弁してくれよ”とさえ思う程に、またワンワンと泣いてしまった。
大日如来さま同様、薬師如来さまからも
今ここに感謝しなさい
あなたは一人ではありません
たくさんの人があなたを見守っています
そういったメッセージが伝わってきた。
今思えば、講堂、そして金堂での涙は、会いたくて会いたくてたまらなかったハイヤーセルフ(ガイド)、彼らに会えた時に流す涙と近しいものがあるような気がする。ハイヤーセルフと会った瞬間というのは、言葉では言い表せないほどの感動・温かさ・喜び・安心感に包まれ、自然と涙が溢れてくる。その涙と今回流した涙は非常に似ているのだ。もちろん、ハイヤーセルフに会った時×1000倍ぐらいの威力が東寺の仏像にはあるけれど。
金堂から出た後も泣きに泣き、もうなんだか放心状態で外を歩いていた。
こんな状態で、果たして五重塔にたどり着けるのか?気力がもつのか?
そんな事が気になり始めた。
でも、もうさんざん泣いたのだから、どうにでもなってしまえ!
若干ヤケになりながら、普段内部は公開されていないという五重塔へと歩を進めた。
というか
そもそも五重塔って何だ?
その当時のランドマークタワーみたいなものか?講堂や金堂に比べると小ぶりだし、正直あまり惹かれない・・・(空海さん、そして京都府民の皆様大変申し訳ありません)
※東寺の五重塔は日本一の高さを誇る木造建造物なのであります!!
けれど、そんな風に思った自分をポカポカしてやりたいぐらいに、五重塔内部での出来事は、それまでの号泣が吹っ飛ぶくらいに、私の度肝をぬいた。
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