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蚊をやっつけたときの感情は、いくつになっても分からない


あああ、また蚊に噛まれた。



こうやって、夏がやってくるのを感じている。

そして、セミが鳴いた暁には、”夏”が完成するのだ。



夏は嫌いでも好きでもない。
冬は嫌いでも好きでもない。

夏と冬どっちが好き?と聞かれてもよくわからない。

と同時に、春と秋が見捨てられた様な感覚にもなる。

そりゃそうだ。
年々、春と秋は夏と冬に侵略されているのも事実である。
気候変動という現実的な問題が垣間見えるのはここでは横に置いておく。



そんな私は
”四季”が好きだ。

春も夏も秋も冬も存在してやっと出来上がる、”四季”が好き。



春を感じるお花たちも
夏を感じる虫の音も
秋を感じる夜空の綺麗さも
冬を感じるカサついた手も

なんだか全てが愛おしい。


自分にしか分からない思い出があって
誰かと共感しあえる思い出がある。

それぞれの季節に紐づいているストーリーがある。




風から運ばれてくる次の季節の匂いを嗅ぐのが好き。
「あ、春の匂いがする」

みたいにね。



9月に鳥取で出逢った蕎麦屋のおじちゃんは、
「青い空は秋なのに、白い雲は夏だよね」って言ってた。

そこまで行きたいなって感じたよ。
ほんの少しの悔しさと趣深さに触れられて嬉しかった。
自分のものにしたくなった。




もうすぐ夏だね。


去年の目標、<川に入ること>はひっそりと達成したんだあ。

今年は、<お気に入りの水着を見つけて海に入ること>なんて書いたら叶うだろうか?



あああ
蚊が耳元でブーンって言っている。


やっつけないと赤く腫れて痒くなる。
でも生き物はなるべく自分の手で殺したくはない。
後ろめたさを感じてしまうから、というエゴの塊だらけだ。



あああ
それでも、痒く腫れるのはごめんだ。

小学生の時、蚊に刺されただけで病院に行っていたくらいに皮膚はかなり弱いのである。

それを謳い文句にして、今日も私は闘う。



パチンッ

あ、やっつけた。

喜びも悲しみも生まれることはない。



やっぱり、蚊をやっつけたときの感情はいくつになっても分からない



正解があったら教えて欲しい。



もも










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