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子どもの頃、山にのぼったこと

アルプ・スナフキンさんの記事を読んで山登りに憧れている。

愛知県豊川市に本宮山(ほんぐうさん)という標高789メートルの山がある。
卒業した地元の高校の校歌にも歌われていた。
緑豊かな田畑の続いた先にある三河富士とも呼ばれる端正な形をした山である。
連なる山々の先は南アルプスに向かう。

子どもの私たちにでも自転車で登山口まで行けるこの山に何度も登ったことを思い出した。
現在、市町村合併で豊川市となった旧宝飯郡一宮町に砥鹿神社(とがじんじゃ)という立派な神社があり、その奥宮が本宮山の頂上にあった。
だから、信仰の対象ともなって信仰心から頂上を目指す人もいたとのことである。
砥鹿神社に祀られているのは大国主命、あの因幡の白兎を助けた神様である。
この本宮山から見下ろす三河平野の豊川市には穂ノ原という地名があり、この因幡の白兎事件と関係があるのか、あとから誰かが関連付けて付けた地名なのか、なんてことを子ども心で考えたりした。

私たちはいつも思い付きで「これから行ってみようか」で自転車をこいだ。
インターネットで検索すると片道2時間の登山、とされていた。
私たちはいつも1時間ほどで頂上まで駆け登り、神社で手を合わせ、顔を洗い、30分ほどで駆け降りた。
全員ゴムのサンダルだ。
走り出したら止まれない。飛ぶようにして走り降りたように記憶する。
途中行き交わした登山スタイルの方たちが「あの子たちカラス天狗みたいね」なんて言われて得意げになっていた。

何度も上り下りしているが誰一人として転がったヤツはいなかった。
頂上からは穂ノ原の平野が見渡せて気持ちよかった。
何が目的でそんなことを何度も繰り返したのだろう。
たぶん、何の目的も無かったからだったと思う。

カラダの健康にはとても良かっただろう。
そして、ココロの健康にも、、
当時、不良と呼ばれるグループに入っていく奴は誰もいなかった。
私たちの登山(?)は健全な心身を育んでくれた。(と、思う。)

実は子供の頃、山登りに憧れていたことを思い出した。


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