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風邪ひきの思考

なんと、不覚というか、珍しく風邪を引いてしまいました。
熱は出るは、咳は出る。身体は重くやる気は失せ、仕方なくずっと寝ていました。自分でも驚くほど寝ていました。深く深く寝ていました。

飼い猫のトラが、まだ愛知で近所の番町猫だった頃に犬と喧嘩して、大けがをして帰って来ました。傷をブーニャンが舐め、トラは死んだように眠り続けました。そして二日後には復活しました。そんな二匹の姿を思い出しながら深い眠りに落ちていました。

精神論を健康に結びつけることはしないのですが、適度の緊張は免疫力を上げるものだと思っています。父が他界寸前の母・兄の「終の棲家」探しをしたあの頃から10年以上風邪は引いていませんでした。
余談ですが、父が今わの際をさ迷った年末はとんでもなく寒い冬でした。先の見えない毎日の疲れからか、頭が痛く風邪を引いたかと思い父の入院する総合病院の内科で受診すると血圧が200ありました。とりあえず24時間の心電図測定をしますと、携帯用の計測機をつけられました。その晩、父は息を引き取りました。その検死に当たった当直医がその内科医でした。「あんた、息子さんだったんだ」ともう大丈夫だろうし、きっと邪魔になるとその場で計測機を外してくれました。落ち着いてから内科を訪れると血圧は正常に戻っていました。

その頃が私の今までの人生で一番しんどい頃だったと思います。その頃のことを思い出せばこれまでたいていのことは乗り越えることができました。
いい意味での緊張感の持続を得意と思っていたのですが、今回ばかりは風邪を引いた理由が分かりません。
たった一つあるとすればそれは「加齢」かも知れません。年齢を考えてそれなりの行動にシフトダウンしなければならないということなのでしょう。
夜更かしはなるべくやめる。
たまには「できない」と言ってみる。
酒の量はなるべく減らす。

酒は以前と比べればずいぶん減りました。
残りの二つには相関関係があります。頼まれた仕事を断れないのでどうしても睡眠時間を削ってしまっています。これを何とかしようと思います。

風邪ひきの時間には無駄が多すぎます。食欲がなくなり、当然食べても美味くない。人の話に集中できない。とにかくすべてに興味を失う。いつもの私と正反対になってしまいます。
加齢とともに人との付き合いは減り、行動半径は狭まり、新しい事象に対応する機会は減ってきます。これはストレスを減らすことなのですが、なかには回遊魚のような人間もいて、いくつになっても新しいことにチャレンジすることを忘れてしまわない方がいます。私にも多少はそんな血が混ざっているのかも知れません。そんなのも性格っていうのかも知れません。新しく加えてしまったことをストレスと感じずに、適当なストレス以上はため込まないようにする方法って加齢が出来ることなのかも知れません。そう考えればまだまだ自分の興味を増やし、まだまだ無駄を増やしてもいいのかな、って結論に至りました。「知の欲求」を廃れさすことなくこの先も元気にやっていこうと思いました。

でも、まだ焼肉はも一つ食欲をそそりませんでした。久々のビールもです。


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