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美味しいものを食べる
美味しいもの、それは人それぞれです。
主菜となるものや副菜的なもの、口にものを運ぶ季節やその場面によっても変わるでしょう。
私には健康に気を遣って美味いものなど食べることは出来ない、と信じていた時期がありました。
『美味いものはカラダに悪い』などとウソぶいて毎晩浴びるほど酒を飲んでいた時期です。よくもまあここまで健康を損なうこと無く生きてこれたと思います。
しかし、自分で作ったものを人に食べてもらうようになってから変わってきました。小売店やスーパーで食材の顔を見ながら食べて欲しそうにしている奴らを連れて帰ります。そして、それが旬のものであればその時期に一番美味いだろうなと思える方法で調理をします。高校に上がった息子と二人で生活した三年間でそんな考えと調理の方法はこの身に染み込みました。朝メシ、昼の弁当、晩メシと絶えず訓練でした。三年間の毎日の訓練で調理の方法、考え方は身につきました。
早いものでもう五年も前の事になりますが、大阪阿倍野で飲食店を営みました。だからという訳ではないのですが、私の料理は今でもどうしても『酒の肴』の系統に進んでしまいます。酒もご飯も同じコメですから、私のそんな偏った料理もご飯のお供に合わないことはないと考えてきました。
コロナ禍では誰もが予想しなかった状況に太刀打ちする術も無く、たくさんの飲食店の経営者が苦しんでいることに心を痛め、一日も早く普段の日常に戻って欲しいと願いました。現在、以前の日常に戻りつつはあるものの、当時の仲間に聞けばやはり全てが回帰してくれたわけでは無く、何かが変わってしまったそうです。一度定着してしまった習慣は簡単に変えることは難しいということでしょうか。私はそんな付き合いのあった店の応援もあって、わりと早い時期から外で酒を飲む機会が多かったのですが、やはり私の飲み方も以前のように戻ったわけではありません。自宅で食事をする機会は間違いなく増えました。
美味しいものは人それぞれです。外であろうと、家であろうと美味しいものは美味しいのです。落ち着く家があり、待ってくれる家族がいる、仮に待つ人がいなくとも快適と思える環境で食事をすれば何を食べても美味しいはずです。そして、美味しいと思って食べることが出来れば、何を食べても健康につながっていくことでしょう。
『腹が減っては戦は出来ぬ』です。なにがあってもまずは食べましょう。
明日からの現実との闘いを普通に乗り越えれるように今宵の晩餐を皆さんそれぞれの美味しいものと共にお過ごしください。
一昨日頂いた京都大原野のタケノコ、その日のうちに皮を剥き、米ぬかとともに茹で上げました。そして昨日の午前の一時間ほどを使って料理しました。多少のエグミも春の味、酒を飲むこと無くタケノコの春を腹にいっぱい放り込みました。
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味の濃いものでした。今回のは鶏とうす揚げを入れタケノコの味を活かすために薄味にしました。
ヘッダー画像はNPO法人京都発・竹・流域ネット(通称:竹ネット)の事務所の大家のお母さんが漬けたタクアンです。スーパーで並んでいるのとは違う素朴な普通のタクアンです。こんなタクアンが私は好きです。これもタケノコと一緒に持たされて、片手にぶら下げ大阪まで帰りました。なんだか重たいタケノコとタクアンに鍛えられ右手の握力が強くなったような気がします。
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