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ゴールデンウイーク初日

この歳になるとゴールデンウイークだからといって特別な感慨は無い。
やってる仕事は365日途切れることの無い仕事、エッセンシャルワークとはそんなものである。

24歳で社会人となり、普通の会社勤めを始め8時半から5時半、土日休みの仕事で身体が染まっていた頃は休日出勤が苦痛であった。

営業を始め自身で組み立て、自身の考えで仕事を生むようになってからはそんなことは考えないようになっていった。
365日よく働き、よく飲んだ。

その頃は毎年のこの時期の帰省が苦痛だったかもしれない。当時は仕事の折り合いを付けて、家内、息子を車に乗せて、三重県志摩のたぶん日本で屈指の海の景色を誇る絵描きの町に行き、息子の成長を義父母に見せ、少しだけ酒を飲み落ち着かぬ夜を過ごして翌朝伊勢湾フェリーで愛知に渡った。
愛知でも両親は喜び、その頃はまだ母のアルツハイマーも父の肝炎も発症しておらず、兄貴もそこそこ自分の事は出来た。
私たちにサプライズで長野の父の実家近くの温泉宿に宿泊予約をしてくれており、父のエスティマに乗り換えて私の運転で中央道を走った。

どこの家庭の父親もそうなのかも知れないがゴールデンウイークが終わる頃にはクタクタになっていた。
遅咲きの八重桜を愛でる余裕など無かったのである。

ゴールデンウイーク初日の昨日は朝仕事から帰り、少し寝て夕方は合気道の稽古である。
私はプロではないし、私の道場は専門家の養成道場でももちろんない、稽古生には自身の生活を一番に考えてくれなければ困る。
稽古生の生活は十人十色である。だから、とりあえず道場は開けておかなければならないのである。
そんなことを何十年も続け、このコロナも乗り越えてきた先輩方を私は心から尊敬する。

私はいつまで稽古を続けることが出来るのだろうかと思う。
身体の続く限りとは誰もが口にする言葉であるが、そればかりじゃ成り立ちはしないのである。

そんな事をつらつらと考える。
他にも考えなきゃならぬ事はあるのだが、いつも考える事は同じかも知れない。

ここでもゴールデンウィークなぞ関係無く、ゴールデンウィークの存在の意義を考える。

そして、確たる答えも出ないまま阿部野の夜に沈没した。


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