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きつねうどんと合気道

きつねうどんをすすりながら、ふと両者の共通点を考えた。

一つ、どちらにも派手さは無い。
しかしながら長く熱烈なファンがいるのは同じである。

一つ、どちらも競い合わない。
合気道には試合が無い。本来生死をかけての格闘にルールを決めての試合はおかしなことと、個人的に常々思っている。
きつねうどんも地味に他のうどんたちと競うことはしない。
きつねうどんはいつもきつねうどんである。

一つ、どちらも基本が大切である。
シンプルなきつねうどんは出汁、うどん、甘辛く炊いた油揚げ、このどれもが完成されて三者が絡み合わなければ本来のきつねうどんではない。
合気道に難しい説明は多々あるが、基本の動きと技の組み合わせが肝要、実は意外にシンプルなのである。


『気がつけばきつねうどん!』
あぁ、これかも知れない。
気がつけば食べているきつねうどん。
気がつけば40年もの間、合気道をやっていたように。

毎日稽古をしていても合気道は飽きることが無い、きつねうどんも毎日食べても飽きることは無い。
生活の一部になっているのかも知れない。
いや、私は関西人になったのかも知れない。


しかし、そう書こうと思ったそばから、なぜ、カレーうどんを注文しなかったか考えている自身がここにいた。

まぁ、エセ関西人になったということにしておこう。


関東、関西、関係無く、
食べ物、武道、関係無く、

シンプルなものほど深いものである。

これは間違いないと私は思う。



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