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わたしのマーボな夜

一昨日の夕、激しい雨に出会いずいぶん濡れてしまいました。なんだか風邪を引きそうでした。歳をつくづく感じます。そして、夕食に麻婆ナスを用意しました。

両親が健在の頃、実家の家庭菜園のナスビとキュウリはいつも二人のいさかいのもとでした。農家出身の二人が楽しみで始めた家庭菜園なのにある時期から作り過ぎと処理がついて行かないのが原因で、いつも紛争の火種となっていたのです。母のアルツハイマーの進行とともに戦況は激化しました。週末私が出撃し、片っ端かたっぱしから料理して二人が出向させていた戦艦を撃沈しました。木っ端微塵こっぱみじんです!
我が実家では私がいる週末は和平が保たれていたのです。

この先、本格的な夏に向けてたくさんのナスビが店先に並んできます。
細長い日本の南から順番にナスビが大阪にも出荷されてきます。
実家から車に積んで持って帰った野菜たちを毎日食べていたあの頃が懐かしいです。

昨晩は汗をかくくらいの辛さの麻婆ナスを食べたら風邪もどこかに行くかとの思いでした。
家庭料理です。
ナスビが美味しく口に入ればいいのです。
分量はいつも適当です。

中くらいのナスビが5本、あとは豚ひき肉200gくらい、ニンニク、豆板醤、鶏がらスープの素、水、酒、醤油、砂糖、酢などを適当です。

まずはひき肉を少量のサラダ油で炒めます。バラバラにせずとも固まりが残るくらいの方が食べてる感があって好きです。そこにナスビを投入して蓋をして時々かき混ぜながら蒸し焼きにします。

ナスビはあまり大きく刻まない方がいいです。大きすぎず、小さすぎず、火も通り易く私は食べやすい一口大に揃えます。

火が通ったら一旦皿に移して調味に移ります。

軽く水洗いしたフライパンにゴマ油、これにニンニク、そして豆板醤を炒めます。油が飛び散りますが、この作業で味が違ってきます。少しの焦げが味となります。
そのあとひき肉ナスビを炒め合わせます。

ここに酒、鶏がらスープの素、醤油、砂糖、酢を入れ、皿に移していたナスビを戻しグツグツ炒め煮ます。

味見してナスビに味がしみたところで少量の水に溶いた片栗粉でナスビから出て来ている水分と調味料のスープにとろみをつけて出来上がりです。

刻みネギや山椒が最後に入ったらもっと美味しくなりますが昨夜は冷蔵庫に白ネギも無ければ山椒も無かったのでそのままです。

家庭料理です。順番が多少変わろうと、多少材料が揃わなくても大丈夫です。

大切なのは、豆板醤を炒めることと麻婆は煮込み料理だ、ということだと思います。
焦げは味となります。
カレーを作る時に炒める玉ねぎの焦げがカレーの美味さだといつも思っています。

合気道の動きの中で皆があまり気にしない、決しておろそかに出来ない細かな指の動きがありますが、それとも似ているように思ったりもします。

とにかく家庭料理です。
美味しくみんなの口に入ればそれでいいと私は思っています。

そうすれば中国の麻婆のチャオチャオおばさんも喜んでくれるに違いありません。

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