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生きるためにやって来た仕事のはなし

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なかなか理想を仕事とすることは難しいもの、食べるため、生きるためにしてきた私のサラリーマン人生です
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#日常

ほたるのはなし

季節外れのはなしで申し訳ない。 暑い暑い夏の夜に飛び交う『蛍』のはなしである。 note の『傘わっしょい』さんの短歌が好きで、毎晩一首づつ読ませてもらっている。 その中にある昨年末の短歌が私の記憶の引き出しに手を掛けた。 短歌 壁ホタル 人感センサーライト センサーの狂ひし蛍のやうにしてわれはありなむたれからもひとり の『狂ひし蛍のやうにして』とセンサーを蛍に比喩されているのだが、たった一度だけのこと、それも生まれて初めてたくさんのホタルの群れに包まれたことを思い出

無くならなくていいと思うもの

こんな季節だったと思う。 蒼く高い空を憶えている。 標高の高い地の強い紫外線が私の頬を刺していたのを憶えている。 もう50年近く前に岡山県の某市まで行った。小学生六年の時に一人で新幹線と伯備線を乗り換えて行った。年子の兄が脳の手術を受けた。かなりグレーな合法な手術だった事をほんの数年前に教えてもらった。その時母は兄のために必死で前後の見境がついてなかったと私に教えてくれた人は言った。今さら聞かなくともよかった。むしろ聞きたくなかった。 大阪の某大学病院を追われて岡山県の病院

拝啓

春暖の侯、、、 春暖は俳句の季語でもある。 定義による春は三月から五月であるが、私の春暖は早い春の暖かな陽射しを浴びた雰囲気をそう言いたい。 しかしながら、昨日の通勤列車の中で、今日のような陽気も春暖というのかと思いながらJRで揺られていた。 もうすぐニ年になる通勤電車である。 三十年もの間、二日酔いでまだ動き出さない脳のまま、朝早く満員電車に無理矢理乗り込み会社まで通っていた。 そんな生活から卒業したつもりでいた。 しかし、もう二度と乗ることのないと思っていた通勤電車

朝はやくおきて

この時期の雨は恵みの雨、しかたないですね。 なんだか疲れが溜まっていたようで体調が良くない最近でした。 しかし今朝は気持ちよく目覚めベッドから抜け出しました。 逆にどこか悪いのではと思うほどの気持ち良さでした。 リビングに降りてコーヒーを入れます。 ラジオを耳にしながら考えごとをします。 猫がやって来てその相手をしばらくします。 朝食はトーストがいいかも知れません。 朝の時間を大切にしたいです。 子どもの頃からわりと早起きです。 私は朝も夜も強いのですが、

休日のしごと

桜の花は散り、若い緑が目立ち出した。 見る者のいない葉桜をながめながら駅に向かった。 時々ふとした事で以前の事を思い出す。 ちょうどこんな時期だったのである。 ゼネコンに入社し、事務として京都営業所に在籍していた時である。 日曜日に事務所で一人仕事をしていると、現場の所長や主任たちが事務所にやって来て事務仕事を始めることが、よくあった。 複数人が集まり、話をして昼メシを食べて午後には帰っていった。 休みに出て来るのが不思議だった。 私は当時営業所の上で独身生活しており、自分