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生きるためにやって来た仕事のはなし

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なかなか理想を仕事とすることは難しいもの、食べるため、生きるためにしてきた私のサラリーマン人生です
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2021年2月の記事一覧

昭和のおもひで

故ドナルド・キーンに捧げる(ごめんなさい) 食べることが好きで、料理が好きで料理を食べている人が出てくる本をたくさん持っていた。 レシピ本が好きなわけではない。 食関連のテレビ番組も好きで時々みる。 大食いや無理食いは好きではない。 NHKの『サラメシ』を時々みる。 ちょっと前の『サラメシ』に日本に帰化した故ドナルド・キーンが登場していた。 すごいアメリカ人だなぁ、と思いながら三島由紀夫について書いている本を読んだことがある。 大学時代、練馬の陽当たりの

酒を片手に考えた

ゼネコンの営業マンだった私は毎朝『日経新聞』を片手に満員電車に飛び乗って会社に向かう生活を送っていた。 普通のサラリーマンを辞めた今も日経が気になる、一年ほど前から電子版に変えたが、、 3月11日で東日本大震災から10年を迎える、日経がこれまで行われてきたインフラ整備の検証のような記事を書いていた。 これまで37兆円が投じられ、被災の中心となった岩手、宮城、福島三県での県内総生産は全国平均より高くなった。 まだ原発の大きな問題が残っているものの、インフラ的にはかなりの

この世から無くなって欲しくなかったもの  『半ドン』

このピンボケ写真は私が初めて社会人となったゼネコンの京都営業所の事務所内、1985年昭和60年のものである。 パソコンは無く、電話は共用で、伝票帳票での経理処理が当たり前だった。 もちろん携帯電話なども登場する前だった。 『半ドン』、この死語と化してしまいつつあるこの勤務形態は当時の私には嬉しく、わくわくする待ち遠しい時間であった。 高度成長期は終わり、世の中は安定してバブルに向けて時間は動いていた。 仕事は忙しく事務所の3階にあった寮の自室に夜10時前に戻れること

この世から無くなって欲しくないもの(昭和のにおい)

本当の『鳥瞰図』って見たことありますか? タケコプターを頭にのっけたクロネコさんが宅配便を持ってくる時代がすぐそこに来ています。 スマホで衛星写真を誰でも見ることが出来て、ドローンも当たり前になった現在、この『鳥瞰図』なんて面白くないもので、その気になれば素人の私たちでも簡単に作れるものかも知れません。 昭和60年に社会人となり、営業に移ってからのことです。 建築雑誌でこの『鳥瞰図』を描いた石原正さんのことを知りどうしてもこの『鳥瞰図』をプレゼン資料に使いたくてアトリ

思い違いの思い込みのはなし

子どもの頃からそそっかしく、思い違いや勘違いをする事が時々あった。 社会人になってゼネコンに勤めて、営業に籍を置く前に現場事務をやっていた。 毎月業者さんへの支払いのために請求書を受け取りまとめ、出来高と合わせて工事竣工時の精算予想をしなければならない。 コンピュータなど建設現場の事務に入って来る前の事だ、書類の全ては手書きで、全て手計算でやっていた。 思い違いの思い込みはその中にある支払い一覧表である。 安全用品を扱う会社で『セーフティトップ』という一読で業務内容を判

人の力でできること

部屋の片付けで出てきた写真です。 この写真が何だか分かりますか? もう25年も前のこと、当時勤めていた建設会社での出張の途中です。 北摂のある学校の資料館を築き上げるために瀬戸内海の小島から外壁用の石を切り出した際の写真です。 長さは17m重さは300tありました。 発注者の熱い思いと、その時の上司の強い意志で幾多の困難を乗り越えてその資料館は四年後に完成します。 安土城を模して造られた資料館のこの外壁の石は一枚岩としては大坂城にある蛸石よりも大きなものです。 切り出しか