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おねショタ108式の37『ある村の二人』

冒険者の時代。
冒険譚には出てきそうもない、ごく普通の村でのはなし。

主人公はオトナに憧れる年頃の少年。
そして彼は、隣に住む六つ程上の少女に恋をしていた。

かつては少年の兄だか姉だかわからないほどやんちゃだった彼女も、いまや長じて美しい「女性」へと近づいている。
まだやんちゃ盛りの少年はその変化に戸惑うものの、なんとなく態度を変える気にもなれずいたずらを仕掛けていた。

――そんなことをしちゃいけないんだと、心ではわかっていながらも。

そしてある日、彼女は村を出て町へ行くことになる。
きっと、彼女はその町で、少年の知らないダレかと結ばれるだろう。
そんなことをぼんやりと確信し、少年は出発の前夜に行動を起こした。

彼女の部屋に忍び込んだ少年は、彼女にさよならの言葉と共に想いを告げる。
そして彼女は「嬉しい」とだけ一言言って、彼にキスをした。

翌日。
彼女を見送る少年は、いつか彼女を迎えに行く日を夢見、少しだけ大人になっていた。

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