見出し画像

おねショタ108式の88『桃太郎と七人のお姉さん』

前へ マガジンへ 次へ

昔々、都から外れた村でのはなし。

おばあさんが洗濯をしていると、川上からひとつの大きな桃が流れてくる。
家へ持ち帰りおじいさんと食べると、みるみる二人は若返ってそのまま久しぶりの夜を過ごす。

その時儲けた子供はすくすくと育ち、その不思議な桃の力を受け継いで年少にして村一番の力持ちになった。
しかしそれをけっして人を害することには使わず、やがて村の人々に敬意をこめて桃太郎と呼ばれることとなった。

そんなある日、桃太郎は鬼の噂を聞く。
海から現れては人々を害し、人や物を奪ってはどこともしれない根城へともち去るのだという。

時を同じくして桃太郎の噂を聞きつけたその村の者たちは態々遠くから出向いて彼に鬼の討伐を依頼する。
快く引き受けた桃太郎は旅に出る。

その道中のことである。
繁みから飛び出してきた三人の物取りの女性はそれぞれを犬猿雉と自称し、彼に襲いかかる。
件の鬼とは別に、村社会からはじき出された者たちはこうして法外の行いをして生きていくしかないのだ。

個々人の強さも連携の巧みさもズバ抜けた彼女らは、女三人だけで生き抜いていた。
だがしかし、桃太郎の理外の力に太刀打ちできるはずもなく、あえなく敗れた三人は厳しい処断を覚悟するが、桃太郎の答えは鬼の討伐に協力して罪を贖うことだった。
彼は見抜いていたのだ。彼女らは人を脅かし盗むことこそすれ、殺めることはしていないと。瞳に人を殺めた濁りはないと。

その慧眼と器に心酔した彼女らは、誰に強いられるでもなく、桃太郎と契りを結ぶ。
初めは戸惑っていた桃太郎も、直ぐにその持ち前の器用さや懐の深さで彼女たちを受けいれる。

そして村へとたどり着いた彼らは、夜を待って鬼らを待ち伏せる。
果たして供物を分捕りに現れた小鬼たちを無力化して正体を暴いてみると、彼らは皆桃太郎と同じかそれより若い少年たちであった。
どういうことかと思案していると、最初に村を襲ったという鬼、青鬼が姿を現す。
見上げるほど大きな体躯のその鬼は、その実、青く透けるほど真っ白な肌をもった西洋の美女であった。

彼女は従者三人に勝るとも劣らない戦闘力を持っていたが、なんとか勝利した桃太郎は、その証として彼女の体を奪う。
鬼ヶ島へと案内させる道中、はじめは抵抗していた青鬼も、やがて目的の島につく頃には従順な桃太郎のしもべとなっていた。

大陸内部の黄褐色の肌をした黄鬼や、興奮すると紅色に肌を染める北欧の赤鬼を倒し、鬼ヶ島の真実の姿を突き止める。
潮流の合流点であるその島は難破した外国船の生存者を中心としたコミュニティであり、人口増加に対応しきれなくなった島の女王は、収奪に活路を見出したのであった。

そしてその、ネグロイドのひとである鬼の女王にまみえることとなった桃太郎は、彼女に言い放つ。
戦闘ではなく、交合でもって雌雄を決せんと。

桃太郎は、旅の最中で変わって行ったのか。否、それが桃の本性であったのである。
一点の曇りなく正義を愛する心と同居して、色を好む精神を彼は発現させていた。

すべてが巨きく、豊かさに満ちている女王の身体を、桃太郎はそれまでの戦いに匹敵するほどの気概で以って挑んでゆき果たして打ち克つ。
乳房を、蜜壺を、腰を、尻を、口腔を、手を脚を腹をすべて征服した桃太郎は、鬼ヶ島の平定を宣言するとともに村との和睦を提案し、やがて地域の大興を成し遂げるのであった。

後に人はいう。桃太郎と七人の妻がかつて在ったと。

資料費(書籍購入、映像鑑賞、旅費)に使います。