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句歴2年と4か月。個人誌を出します。

『惑溺』完成までの記録をまとめたいと思います。随時更新の予定。

個人誌をつくろう

6月4日、突然のことでした。個人誌を作り、招待作品として推し俳人に依頼したいという感情が芽生え、居ても立っても居られなくなりました。この時点で、個人誌に載せられる自身の句や歌はある程度集まっていました。

依頼をしよう

その日のうちに、次のようなメッセージを送りました。

〇〇さん (中略)次回の大阪文フリにむけて個人誌をつくろうと思っています。俳句と、短歌と、散文のまとめです。もしよければなのですが、俳句連作をご寄稿いただけませんか? タイトルつきの10句と自己紹介文を、8月末までにお願いしたいのです……。これは、わたしが、あなたの新作をどうしても、読みたい、というとても個人的な感情からのおねがいです。(中略)初めてのことでなにもかも手探り状態なのですが、たくさんのひとに良いなと思ってもらえる1冊にしたいです。イエスでもノーでも、6月末までにお返事をいただけるとうれしいです! このところ暑くてかないませんが、どうぞご自愛ください。 まひろ

2か月前のご連絡というのは、今思えばご負担が大きかったかもしれません。また、謝礼も適正だったかどうか……。それでも、今回は4名全員にご快諾をいただきました。本当に感謝です。

また、表紙のイラストを中学からのお友達、しぇるふ(@SHELF_000_RU)さんに依頼しました。
なにもかも分からなかったので、「イラスト 依頼の仕方」とかで大量検索して作法を押さえつつ、連絡をしてみました。

こちらも、今思えば突然すぎるしなかなかに失礼だった……と反省しています。このとき、明確にこういう構図(うみのなかで傘をさしている女の子)がいい! という思いはありつつも、肝心の女の子の容貌がまったく想像できなくて、丸投げしてしまいました。

丸投げしたのにこんなにすごいイラストを描いてもらった。


じぶんの作品を見直そう

今回、俳句・短歌・散文の詰め合わせにしようと決めていたのですが、作品をどれくらい絞るべきか、かなり悩みました。

俳句は、新作を載せたいという思いはありつつも上手くいかず、結果的には 

・結社誌に載せてもらった句
・百年俳句賞応募作

の2本だてにすることにしました。どちらも既発表ではあるのですが、前者は、もっとたくさんの人に見てもらいたい、後者は、紙媒体で残したいという気持ちがあり、このような形になりました。

短歌、散文は未発表で、発表先に困っていたものがあったので、それを載せることにしました。ほかにもいくつかあったのですが、見返しているうちに気に入らなくなって削ってしまいました。

中間報告をしよう

1回目。表紙のラフ画をいただいた時点で、寄稿者のみなさんにメッセージを送りました。このとき、文フリの出店を辞退していたので、そのご連絡をしました。(7/7)

2回目。個人誌のタイトルをお伝えしました。
『惑溺』は、「夢中になって本心をうばわれること」という意味があるのと、百年俳句賞応募作の「溺れておいで」から一字とって命名しました。(7/31)

3回目。原稿料のお受け取り方法や謹呈先のご住所などをお聞きしました。また、進捗状況をおたずねしました。(8/10)

印刷屋さんを決めよう

同人誌印刷の会社はたくさんあって、それぞれで見積もりを出していったのですが、自分の納得いく仕様と価格のところが見つかるまで、かなり時間がかかりました。結果的に、

サイズ:A5
製本仕様:無線綴じ
表紙用紙:アートポスト180K
本文用紙:色上質中厚口(うす水)
ページ数: 本文44P + 表紙4P

という仕様になりました。遊び紙やPP表紙には手が出せませんでしたが、本文用紙がなんと薄い水色。めちゃくちゃかわいくなりそうな予感です。

入稿しよう

組版は word で行いました。これが正解だったかはまだわかりませんが、これしか知らなかったので仕方ないですね。

ノンブルをただしくつけるのに一番苦戦しました。次回以降個人誌をつくるとしても、今回のデータを再利用すると思います。

とはいえ、wordは使い慣れているし、これからも使うのでいい勉強になりました。

フォントは、普段はサブスクしているものがあるのですが、学生用なので商業利用ができず、ふつうに、とりあえず、游ゴシックを使いました。なんやかんや游ゴシックは愛らしいです。

通販の準備

初めは皆さんが使っているようにBoothを利用しようかと思ったのですが、なんだか難しかったのと、逆張り精神が働いたので、ピコ通販を使うことにしました。ピコ通販の手数料はわかりやすく、購入者さまに100円ご負担していただく、というものなのが個人的によかったです。
 ↓ こちらから見られます。 ↓ 

(通販開始しました! 9/16)

文フリの準備

文フリには、京大短歌の一員として参加することになりました。……なので、準備といってもわたしのすることは値札を作るくらいでした。ほかにあるかなあ。あったらこっそり書き足します。(京大短歌としての仕事も値札づくり、張り紙づくり、フリーペーパーの組版だった。)

百均では、本を立てかけるプラスチックケースを買いました。見栄えが良くなる気がする。

https://iemonocatalog.com/wp-content/uploads/2018/10/seria-100yen-catalog-menu-stand01.jpg

↑これ。

宣伝しよう

Twitterで宣伝ツイートをしました。https://twitter.com/mh6ttn/status/1565158554050277377?s=20&t=1U5lCXO-jlONEzBmsroSww

でも、ここで葛藤が。
フォロワーさまに「こいつ宣伝ばっかしてる」と思われたくない!!!

そこで、なんとか情報を小出しにしていくことにしました。また、寄稿者の皆さんに宣伝のお手伝いをしてもらいました。

宣伝、本当はもっとしたいのですが、皆さんのいいねとリツイートに期待することにします……(笑)。

この画像は、PowerPointで作成しました。officeさまさまです。
(こちらはフォントが豪華です。)

Twitterに投稿する画像は、いつも視認性とのたたかいになります。

個人誌が届く (9/16更新)

待ちに待った!! 本が!! 届きました!!

感想は、とにかくうれしい!! でした。

PP表紙ではないけど、素朴でかわいい。うす水の本文用紙もかわいい。

うす水は、HPの注意書きに「灰色がかった水色」とあったのですが、わたしにとっては想像通りの色合いでした。

なんとなく琵琶湖っぽい色だと思う。

ページの影になる部分が特に「蒼く」て、好き。

そして、届いたことがうれしい反面、数字では分からなかった本の重さにやられる。

なんか、思ったより多いです!!

ちゃんと捌けるのかなこの量、と心配になる。

全部売れてもぎりぎり赤字になるくらいなんだけれど、会う人全員に配りたいのが本心です。

こんなかわいいイラストで、大好きな俳人の新作が盛りだくさんで。

でも無配すると私が破産するので、おこがましいですが買ってください……と懇願しますね……。

また思い出したら書きます。バイトに行ってきます!(16日更新)

文フリ当日(9/29更新)

25日。文フリ大阪の会場はOMMビル。

滋賀から京都駅までJR、奈良線で東福寺、さらに京阪経由で行きましたが、2時間くらい。案外近く感じました。

ちなみに、楽しみすぎてまったく眠れず。

きょうたんの人と10時半に待ち合わせ。会場の熱気にびっくりしました。

こういう場では焦りがちの私。バタバタと準備に取り掛かります。
(見渡す限りの出店者さんは、すでに余裕そうに座っていた。)

おなじみのぬいぐるみを添えて。

一般開場後すぐのこと。フォロワーの高校生の子が遊びに来てくれました。動揺する私。とってもとっても嬉しかったです。

それからも、俳句や短歌のフォロワーさんが来てくださったり、文フリの同ジャンルに限らず、他ジャンルの方だったり、京大短歌の会誌のついでにお手にとってくださったり。

シフト中、暇な時間はほとんどありませんでした。

会誌(特に27号)に対応するばかりになるかと思っていたのですが、ありがたいことに私は私のところに来てくださった方とお話したり、サインなんか書かせて貰っちゃったり、していました。

本当に楽しかった。


当日は33部持って行って、6部しか残りませんでした。
これは予想外のうれしさです。

持って帰るの重いし、半分なら売れるかなあ、なんて思っていたのに。


通販について

通販ですが、25日まで我慢できずに、16日の夜に開設してしまいました。


通販サイトへのアクセス数と購入数はこんな感じ。

16日以降もちょくちょくご注文いただいている。

通販では26冊のご注文をいただきました。
遠方のフォロワーさんにも手に取っていただけるのはうれしい。

その他、謹呈分と自分の分を合わせて、印刷した66部すべてが捌けたことになります。

まとめ

結論としては、個人誌を作成してよかった!!!!!!!! です。

まだまだ未熟だし、じぶんの本を作るなんて……と思っていたけれど、挑戦してみて、自分は周囲の人にちゃんと「見られている」存在なのだと気づくことができました。作品には読者がいることを、強く意識しました。

俳句をつくる姿勢や考え方がすこし変わりつつある気がします。

結社に入ったこともそれに当てはまるのですが、「紙面に残す」って、思っていたより大切だった気がします。

もちろん今回は反省することも多くありました。

細かいところでいうと、ノンブルの位置。

なんか圧迫感がある。

大きなところでいうと、部数。
50部+余部16部の計66部でしたが、これでは足りませんでした。

予算のこともあったのですが、名刺代わり、とか、将来にむけた在庫、とかで、もっともっと刷ってもよかったんだ、って。

あと、結社の主宰に教えてもらったことが、限定〇部と記載すること。
裕明の『山信』も10部なら10部で、1から10まで番号が振ってあるらしい。

あとは金銭的な話ですが、通販の送料が、意外とかかる。

もともと文フリはあきらめていて、通販しかしないつもりだったので、送料も梱包料も取りたくないな、と思っていました。

だけど何度計算しても合計が赤字になるのはちょっとつらいかも、でも私みたいな立場で、儲けはすこしも出したくないな、と、悶々します。

(まあいうて赤字だけど、思いつめるような金額でもないのでご心配なく)

惑溺Ⅱについて(雑談です)

早速ながら、構想を練っています。

・せっかくだから、前回評、みたいな形で新たにゲストを呼ぼうと思います。(まだお願いしてませんが、ぜひ……と心に決めた方がいて、10月過ぎになったらお声がけする予定です。引き受けてもらえるかなあ。)

・連作のご寄稿、イラストは変わらずの5名にお願いしたいです。(もしこれをお読みでしたら、そうなんだな、と思ってください。)

・目標は、来年5月21日の文フリ東京なんですが、この週、私は教育実習なのでそもそも東京に行く余裕なんてあるのか? とも思います。

・でも、当日が22歳の誕生日なので、記念になるよね。

・1冊の値段は500円から変えたくなくて、予算との闘いだなあと。

・もし、ページ数が予算の範囲超えたら、惑溺1.5とか2.5とかの別冊子も作りたい。

・いまのところ『五百句』の鑑賞文を書いているのだけれど、絶対これ一冊の方が読みやすい気がしている。

・なんか面白い企画とか思いついてる人いたら教えてください。やります。

・反省を生かして、絶対2週間で在庫切れ、とかにならないように、120部刷りたい。(100部頼んだら20部おまけのシステムだから。)
 ←さすがに多すぎか? ←あと半年以上あるんだからもうちょっと俳句なりなんなり上手くなるしかないぞ。

・通販は、梱包とか郵便局行くのとかはいいけど、送料は少し考えたい。

・任意で上乗せてお支払いいただける機能があるので、可能な方はそちらで対応していただこうかしら。

また思いついたらこっそり更新します。

ここまで読んでくださった皆さん、惑溺をお手にとってくださった皆さん、ご寄稿くださった皆さん、本当にありがとうございました。

2022年9月29日 舘野まひろ

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