「カムカムエヴリバディ」素晴らしかったですね
「カムカムエヴリバディ」素晴らしかったですね。
幼い頃から、家族と夕飯を食べながら録画した朝ドラを見るのが習慣だったのですが、社会人になって一人暮らしを始めてからは自然と朝ドラから離れてしまっていました。(因みに朝ドラの一番古い記憶は「オードリー」、好きな作品は、「ちゅらさん」「純情きらり」「あさが来た」「カーネーション」「ひよっこ」「まんぷく」です。)
今回は、松村北斗くんが出演するというのと、丁度転職して在宅勤務が多くなったことをきっかけに放送開始日から視聴。始まる前は「3人のヒロインなんて、NHKも趣向を凝らさないと大変なんだな~」と斜に構えていた自分を叱りたいです。その脚本や演出、構成の素晴らしさに毎日一喜一憂、時には朝から嗚咽を漏らしていました。あんなに上質な作品を、毎朝起きてテレビをつけたら浴びれるなんてどうかしているなと思います。
内容について語りたいことは酸いも甘いも山ほどあるのですが、多過ぎてとてもじゃないけど纏まらないため、大正~令和にわたる100年間をそれぞれの環境や時代に翻弄されながら歩んだ3代の母子の物語「カムカムエヴリバディ」を見て、私が感じたことを書こうと思います。それは、日頃感じている以上に、今現在の自分も”偶然と人”によって紡がれているのだということです。
物語の途中で、3人目のヒロインひなたが自身の両親や祖父母の過去について初めて知った際に衝撃を受ける姿が多々ありました。思えば私も自分の両親や祖父母の昔話なんて知らないことばかりだなと思い、少し思い返してみました。
父方の祖父母は、祖母の姉のはからいで祖母と祖父の見合いが行われ、その場はいまいち盛り上がらなかったにも関わらず、その日の夜に祖父が千葉の山奥にある祖母の家に押し掛けて情熱的に求婚したというのが、もう誰からきいたかも覚えていない朧気な記憶ですが、唯一の情報です。母方の祖父母は新潟の百姓でしたが、馴れ初めなどきく機会はありませんでした。両親は美容学校の同級生で、卒業後は講師として同僚となり、そこから発展して交際を始めたそうですが、細かいことは正直知りません。
祖父母が健在の時にきいておけばよかったという後悔もあり、自分の両親には可能な限り彼らの物語を聞いておきたいなと思いました。が、自分の両親の若い頃の恋愛事情をきいたりするのは個人的には気恥ずかしく、きかない方が良かったと思いそうなこともあるので、少し時間がかかりそうです。。
何はともあれ、もし祖父が踵を返して祖母に求婚しなければ…両親が別々の進路を辿っていたら…おそらく私はいないわけで。もちろん作り物じゃないのでその時の彼らの心情なんて分からないし、実際はそんなにドラマチックでもないかもしれないです。でも、みんな偶然が重なりながら人と出会って、何かの分岐点で別れることがあっても、それが無かったことにはならずに何かしらの影響を与えられていたり、知らぬ間に繋がることがあったり。それによってどんなに良いことや悪いことが起きて、楽しくても辛くても、それでも人生は続くのだなと。
1人目ヒロイン安子のキーヴィジュアルにある『これは、すべての「私」の物語。』は、全話見終わった今、いつになく心に沁みるコピーです。私のことなのでまた少し経てば元通りかもしれないのですが、目の前のことに追われて、くさくさする毎日の中で、少しだけ自分の人生が愛おしくなる時間をもらえた気がする作品でした。半年間見てきて、よかった~。
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