当事者にしかわからない

不妊治療のクリニックから出て
一般人が行く産婦人科に行くと
いかに普段自分が世間から守られているか
よくわかる。

それだけ世間から遮断された空間で
守ってもらわなければならないほど
今の社会は不妊について無知な人が多すぎる。
傷つく場面が多すぎる。

心を守ることが本当に大変なんだと
実感させられる。
当たり前のようにこなしていく人が大多数の中
なにも悪いことしてないのに取り残されること。
努力じゃお金じゃどうにもならないこと。
頑張ったら必ず結果がついてこないこと。
後戻りは出来ず、常に選択し続けないといけないこと。
先生は道標や選択肢をくれるけれど
どう進むかは自分たちで決めないとならないこと。
それに多額の金銭が必要なこと。
治療代を捻出するために無理や我慢も時には
必要になってくること。

ストレスは本当によくないのに、
ストレスの発散法がわからない。
どんどん自己肯定感がなくなる、
情けなく、惨めで
申し訳なさ、悲しみ、虚しさ。
苛立ち、不安、悲観、孤独。

わたしはずっと謝っている。
夫の人生に流産の経験を与えてしまったこと。
親に心配をかけていること。
義両親にも心配をかけていること。
病院の先生も頑張ってくれてるのに結果が出ないこと。
治療成績の平均値下げてんだろうなとか思う。
看護師さんも、いい加減大変だろうなとも。
鍼の先生も、いつも励ましてくれるのに
良い報告が出来ずすみませんと。
なにより自分のお腹に来てくれたのに、
お空に帰った2人の子に。
育ててあげられなくてごめんねと。

世の中には当事者にしかわからないことがあると
いうのを不妊治療をして知った。
わたしがわからない世界線で苦しい人も
たくさんいるんだと思う。
事情はわからなくとも、静かに寄り添えるような
人になりたいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?