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#1 マネフォが実践する「MF on SSOT」、イケてるデータ分析/管理会計のご提案

マネーフォワードで分析推進室/室長をやってます、酒井と申します。

今回は、マネーフォワードのイケてる管理会計を実現している、データ構造/管理会計分析フレームワーク「MF on SSOT」について簡単にご説明します。

詳細については、以降1~2週間かけて公開するシリーズ、
#2_次世代の管理会計分析環境「MF on SSOT」までの道のり
#3 マネーフォワードで経営と現場を繋ぐデータ構造フレームワーク「Management by Fractal」
#4_マネーフォワードで「MF on SSOT」を実現する分析基盤の構成(6/10公開予定)
で説明するので、併せてご参照ください。

まず、自己紹介をさせてください

私はこれまで、戦略コンサルや経営企画として働いてきました。また、現在も、分析推進室/室長の他に、マーケティング部/部長や、財務経理チームの一員としての顔も持っています。

具体的には、データを活用して示唆を出し、戦略をつくったり、実際に意志決定をしてきましたし、現在もしています。したがってアウトプットの質にはこだわりがあります。

一方で、高度なアウトプットを出すための、現場のツラミも死ぬほど理解しています。駆け出しコンサルタント時代は、朝6時に500MBのExcelが強制終了してデータぶっ飛ばす……なんてこともよくやっていました。

これらを通じて感じたペインをすべて実装したのが、当社のデータ分析/管理会計基盤と、そのイケてるデータ構造「MF on SSOT」です。

「MF on SSOT」とは

この1文に2つのコンセプトが存在しています。

ひとつは、MF = Management by Fractal
もうひとつは、SSOT = Single Source of Truth

この2つのコンセプトを組み合わせることで、真のイケてる環境が完成します。具体的に説明していきます。

MF = Management by Fractal とは

「フラクタル」という概念はご存知でしょうか。「図形の部分と全体が自己相似になっているもの」で、下のような画像をみたことがある方もいるかも知れません。

画像1

(英語版WikipediaのDinoさん, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3872598)

この図形が面白いのは、どんどん拡大しても、同じ図形がずっと見えることです。どこかで違う図形になったり、拡大できなくなることはありません。

この状態は、組織にとって理想的な管理会計の姿に似ています。
たとえば、あなたの会社は売上高について、

グループ全体
→ グループ各社
→ 各事業部
→ 各部
→ 各チーム
→ 各個人

と分解することができますか?
言い換えると、何か数字の進捗が悪い時、どのチームが調子悪いのかをすぐに指摘することができますか? さらにそれを商品別にも分解しろ、と言われたらどうでしょう?

もっというと、売上高だけではありません。管理会計上、当然事業部は、売上をKPIツリーに分解していると思います。そのKPIはIRで使われることもあるでしょう。

今度はIRの粒度から、事業部の粒度、最終的には個人目標の粒度まで、KPIを分解することはできるでしょうか?
 事業や商品ごとの客単価や、営業チーム内の各メンバーがもつMRRやChurnRateといった指標の積み上げが、ちゃんとIR上の売上高と一致するでしょうか?

理想的には、各個人の売上(目標)の積み上げが、グループ全体の売上(目標)と一致するはずで、管理会計や、分析基盤チームはそれを目指すべきです。

もちろん、当社でもやりきれていない事業部もあります。とはいえ社長に「なぜ、売上が減っているのか?」と聞かれたときに、事業部×商品のメッシュで、客単価やChurnRateなどに要因を分解した上で、数分でしっかりと原因を説明できるという状況に至っています。
(1年前までは3日も掛けて、微妙な説明しかできませんでした…。)

このように、全体の売上高を組織の構造ごとに分解することができ、逆に個人の目標やKPIを積み重ねると全体の売上と一致するような状態。つまり、フラクタルの構造で売上やKPIの各種数値を管理していく、それが「Management by Fractal」です。

この「Management by Fractal」というコンセプトを実現するには月次売上データを、顧客×商品以上の解像度で集計するなど工夫が必要で、エンジニアリングと会計の両方を活用することになります。

当社の取り組みの詳細については、「#3_マネフォで経営と現場を繋ぐデータ構造/管理会計分析フレームワーク『Management by Fractal』にて解説します。

SSOT = Single Source of Truth とは

いい和訳がないので、あまり日本で有名な概念ではないかもしれませんが、「SSOT」でググると100万件以上出てくる、実は一般的な用語です。

詳細な説明はWikipediaなどに譲るとして、超かんたんに説明すると「完全に信頼のおける唯一の情報源を作りましょう」ということです 。

「完全に信頼の置ける(=Truth)」とは、数字の怪しさや、定義に不透明なところが無い、という意味です。
「唯一の情報源(=Single Source)」とは、Truthの前提条件でもありますが、一箇所に集めることで、定義や処理が知らないうちにバラバラになることを防ぎ、また情報の可用性を高めることにも繋がります。

「MF = Management by Fractal」はデータを通じたマネジメントを目標としているため、数字の確からしさや、データの可用性の高さを目指すSSOTとめちゃくちゃ相性がよいです。

当社における、SSOTの実装は、主にGCPとLookerで行っており、その詳細な構成は、「#4_マネフォが実践する「MF on SSOT」な分析基盤の構成」にて解説します。

最後に

「MF on SSOT」は、経営と現場を繋ぐために、ぜひ試していただきたいフレームワークです。実装しきるには一定の努力が必要ですが、当社でもできたので皆さんの会社でもできるはずです。

#2_次世代の管理会計分析環境「MF on SSOT」までの道のり』では、どういったスケジュールとメンバーで当社が環境を整備して、そのポイントは何なのか、という点についてご説明します。

なにかご不明点やご質問あれば、Twitterからお声掛けください。


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