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【活動報告】フェムテック振興議員連盟 第21回総会に出席しました(2024/04/04)

こんにちは。メディカル・フェムテック・コンソーシアム(MFC)事務局です。

2024年4月4日(木)に行われた「フェムテック振興議員連盟(以下「議連」)」の第21回総会についてご報告いたします。

今回の総会では、議連発足時の三つの柱の一つである

3.更年期の諸問題を解決し、社会・経済のリーダーとなる世代がより活躍できる社会に 

についての提言(以下「第三次提言」)が取りまとめられました。


はじめに(会長・事務局長の挨拶)

冒頭に、議連会長である野田聖子議員から次のようなご挨拶がありました。

数ある議員連盟の中で、これほど精力的に提言をしているものは多くない。フェムテックはある意味未知の領域ではあるが、(従来の政策の延長線上では)役所ができない政策を提言によって解き放つのも議員の仕事である。ぜひご協力をお願いしたい。

議連当日の様子

第三次提言(案)の説明

議連事務局長の宮路拓馬議員から第三次提言(案)について説明がありました。提言(案)の主な内容は以下のとおり。

◎更年期分野のフェムテックに関する課題

  • 当事者及び周囲の人々の更年期に関する知識の不足

  • 医療専門職種における更年期に関する知識の不足

  • 更年期に関するフェムテック製品の開発を促進するための政策

  • 良質なフェムテック製品の普及

  • 政府として女性の健康に取り組む姿勢・体制の整備

◎更年期の諸問題の解決に向けた政策提言

  • 当事者が自分の体の状態を知り、不調・不安があれば産婦人科を受診する流れを作る

    • 当事者が自分自身の体の状態を知ることができるようにする

    • 産婦人科受診の促進

  • フェムテック製品の開発支援、フェムテック市場の育成

    • 更年期に関する日本初のフェムテック製品の開発促進

    • 多様な視点を踏まえたフェムテック製品の開発促進

  • 良質なフェムテック製品の普及を図るための製品ガイドライン等の検討

    • 「悪貨が良貨を駆逐する」状態にならないように、製品の品質や広告表現等に関するガイドライン策定の検討

  • 政府として女性の健康に取り組む姿勢・体制の整備

    • 女性の健康ナショナルセンターを中心とした研究開発・人材育成の促進

    • 事業主による女性の健康課題への取組を、女性活躍推進法に基づく取組内容として盛り込む。

    • 国や大企業のみならず、各自治体や中小企業等においてもフェムテックが推進されるための好事例の横展開


出席議員からのコメント・質問

上記の第三次提言(案)に対し、出席議員から以下のようなコメントがありました。

野田聖子議員

フェムテック議連を始めてから、女性として思い込みがあったものに気が付いた。女性も、ましてや男性も知らないものがたくさんあるだろう。それを提言していくのがこの議連。

例えば女性の大腸がん死亡が多いという話もあるが知らなかった。禁煙治療などで保険が適用されているが、女性についてやるべきことをまだやってもらっていないのでは。

医療や福祉、教育などは、(男性にサービス提供の)傾斜がかかっている可能性がある。

Q:女性の健康ナショナルセンターについては、4月1日から走り出しているのか。センター長は就任済みか。

A:【厚労省】まだ、本格的には動き出していない。組織としてはできており、センター長も就任したが、9月ごろから本格的に動き出す予定。

川崎秀人議員(議連事務局次長)

企業の取組を応援することは重要。一方で、えるぼし認定をとるための稼働がかかりすぎるという声を地元企業から聞いているアドバイザー派遣等ができないか

また、国からの各種情報発信について、自治体の取組を国はキャッチアップしているのか。そもそも国が自治体の取組を知らないと他県に展開できない。自治体の取組を吸い上げる仕組みを用意すべき。

学校における啓発についても、現在学ぶ機会がないわけではないと思うが、質が課題と思っている。民間の意見も聞きながらその質を高めてほしい。

メタ社のサービスにおいては、政治家の発信がすべからくブロックされてしまう。役所の情報はどうなのだろうか。総務省に確認してもらえば本当は一番いいが、そうなると役所が発信するのではなくて、やっぱり民間の皆様に発信してもらった方がいいということになるかもしれない

質の高い学びが得られるように民間の力も使いながら、という文言を教育部分には入れてほしい。

A:【厚労省】好事例の吸い上げについては、システマティックにというところまでは行っていないが、健康づくり政策の中で頑張っていただいている自治体を取り上げて紹介している。また、スマートライフプロジェクトというプロジェクトの中で、女性の健康づくりについても取り上げるということは考えたい

A:【フェムテックジャパン 野口氏】学校における啓発について、散発的に学校から依頼は来るが、システマティックに実施されている状況ではない。横展開はあまり進んでいない。

島尻安伊子議員

経済損失額が3.4兆円という具体的な数が出た意義は大きい。

女性の健康ナショナルセンターでどのような研究がなされるかがカギになる。データ蓄積等がなされることで新たな製品につながるのではないか。どんな研究をしてほしいかのニーズをしっかりとってほしい

この間、敗血症について話を聞いたが、男女差があるそうだ。このような課題に取り組むことが3.4兆円の解消につながる。

オンライン診療について、カウンセリングを診療報酬に評価できるような見直しが重要。娘が相談してみたい産婦人科医に行ったら、保険の診療外、いわゆる相談ということで、料金が高かった。カウンセリングの診療報酬について知恵を出していただきたい。

A:【野田聖子議員】カウンセリングの点は重要。婦人科に行くのはみだらなことをして病気になったんじゃないかという世間の偏見がかつてはあった。本来なら女性は初潮になったときからかかりつけ婦人科があるべき

神田潤一議員

見えない部分で理解できないところを、こうやって解像度を高くして一つ一つ提言に落とし込んでいくのはすごく地道ですけれども、大事な作業。

今回議題となった第三次提言(案)については、事務局長の宮路議員が最終的に調整した上で、政府に対して申入れを行いたい旨の説明がありました。

最後までお読みいただきありがとうございました!


おわりに(MFCのご案内)

法人・個人とを問わず、フェムテック業界を盛り上げていきたい方、MFCの活動趣旨にご賛同・ご支援いただける方は、ぜひご入会をご検討ください!

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