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夢への“想い”は言葉にするからつながる

キャリアコンサルタントの松岡澄江です。

普段は働く方のキャリアストーリーを聴くのが仕事ですので、自分の話を語ることはほとんどないのですが、今回は「お題でキャリア!」ということで、私のファーストキャリアを振り返ってみたいと思います。

高校時代、やりたいことはわかっていた

両親を早く亡くしていたので、経済的な自立のために高校を出たら就職する道を選びます。

高校生の就職活動は、大学生のように自由に活動できるわけではなく、学校で紹介してもらった会社を受けるのがルールでした。最近ではミスマッチを防ぐためにルールは変わってきているのですが、当時は厳しい制約がありました。

高校の進路指導のシーンを今でも思い出します。

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「おまえは何がやりたいんだ?」
「雑誌の編集の仕事がしたい!」
「そんな求人があるわけないだろ、A銀行の事務職を受けろ」
「え~、無理~。向いてないもん」

高卒向け求人に出版社の編集業務があるわけもなく、進路指導の先生にはあきれられたのですが、私としては「何がやりたいのか?」と聞かれたので正直に答えただけだったのです。

そう、私の「やりたいこと」は明確でした。

小さい頃から本を読むのが好き。
作文コンクールでたまたま賞なんかもらってしまったものだから、文章を書くのも好きになって、小学生の頃から小説や詩を書いてた記憶があります。

高校になると、生徒会やボランティア部の長となったこともあり、チームでイベントを作り上げる楽しさを覚えたことで、企画にも興味を持ちます。

「企画ができて文章に携わる仕事をしてみたい!」という気持ちで出版業界にあこがれを抱きます。

高校生の私にとっての夢でした。

「知り合いがいるから聞いてみようか?」

やりたいことはある。でも現実として働かなくてはならない。

数日後、夢よりも明日の生活が大事だと進路指導の先生のところに「銀行の事務職を紹介してもらえないか?」とお願いに行きます。
職員室のドアを開けると、進路指導の先生は不在。私を見かけた教頭先生が話しかけてくれました。

「出版の仕事を希望してるんだって?」
生徒会などをしていたので、教頭先生も気にしてくれていたようです。
「はい、でも働かないといけないので銀行の求人の件で相談に来ました」
「そうか、実は先生の大学の先輩が業界新聞社をやっているから聞いてみてあげようか?」

まさにドラマのような展開!
そんなご縁をいただいて、電機業界の専門新聞社に入社が決まりました。

夢見ていた女性雑誌の編集部とは違い、業界紙はちょっと地味でしたが、それでも夢に一歩近づけた気がしてウキウキで入社したことを覚えています

入社後の配属は総務人事部。

大卒の同期は編集部、出版部、国際部と華やかな部署へ配属されていきましたが、高卒ですから事務職からのスタートです。

それでも収入を得ながら、出版や編集の仕事をしている人たちのそばで働く機会があることを前向きにとらえます。そして配属3ヵ月後、秘書室へ異動の声がかかりました。

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秘書室での毎日は、立ち居振る舞いからお茶の出し方、言葉づかい…と徹底的に教育を受ける緊張の連続。

一見、希望するキャリアからますます遠ざかったように感じますが、実はこの異動が転機を引き寄せるのです。

やってみたいことを言葉にするから、引き寄せる

副社長秘書として1年ほど働いたある日、副社長から

「あなたは何がやりたいの?」と質問されます。
「はい、いずれは月刊誌の編集業務をやってみたいです」

その時は「ふ~ん」という感じで会話は終わったのですが、その数か月後、月刊誌の編集部で欠員が出たのです。

就職の際もそうでしたが、夢のような出来事って起こるものなんですね。
副社長から「行っておいで」と異動が告げられました。

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実は、月刊誌といってもコンピュータ雑誌で、当時の私は知識も内容への興味もまったくなかったのですが、雑誌を創りあげるプロセスはどんな雑誌も同じです。

まずは編集アシスタントとして雑誌づくりに携わることが始まりました。

何気ない会話の中でも、自分の想いは言葉にする。
ダメでもともとです。
自分が思うこと、感じていること、やりたいことを言葉にしていくことが大事なのです。

どこかで誰かが見ていてくれたり、覚えていてくれたりするのだと思います。言葉にするから引き寄せることができる。

それは今も私が大事にしていることです。

そして、夢へとつながっていく

その後結婚を機に業界新聞社を退社。小さな個人事務所で働き始めます。

この転職先も秘書時代のご縁につながっています。
秘書時代、非常勤顧問の秘書も担当していたのですが、その中に私の仕事ぶりを評価し、とても目をかけてくださる方がいました。

退職のご挨拶に行くと「うちにおいで」と声をかけてもらえたのです。

その方は企業顧問のかたわら、人文系の雑誌数冊に連載を持っていました。

ある時、「これ書いてみる?」と原稿執筆の機会をくださりました。
当時の私は商業原稿を書いたことがなかったため、何度も何度も推敲していただき、やっとのことで記名原稿を世に出すことができました。

ものすごく感動したのを覚えています。

その原稿執筆をきっかけに、書籍などの編集、取材しての記事執筆などもお任せいただくようになり、高校を卒業して5年後、気がつけば「ライター」と名乗っている私がいました。

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人生がすべて思い通りになるわけではありません。
それでもキャリアを拓いていくには、

■自分を知っていること
 自分がどうしたいか、どうなりたいか、何をやりたいか知っていること
■想いは言葉にすること
 自分の“想い”は言葉にして外に出してあげること
■目の前のことをきちんとやること
 高校時代も秘書時代も、私の姿を見てくれる人がいたこと

想うから叶う/想いを言葉にするから叶う。

想いを叶えてあげたいと思ってもらえる自分である。それが大事だとファーストキャリアが教えてくれました。

それは今も私の大切な行動のもととなっています。

■ 文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師
ブログ:自分らしい生き方・働き方を考える

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