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「未来が見えない」テレワークで気づいた自分の姿【前編】

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。

テレワークの実施で働く環境が大きく変わったメンバーに配慮し、キャリアコンサルタントによるオンライン面談を導入する企業や組織が増えています。

企業内で行うオンライン面談は、対象となる部署やチームの方お1人ひとりに、今のお気持ちや気になっていることなどをマンツーマンでうかがっていきます。

相手が第3者ということもあって、最初は緊張したり戸惑ったりした面持ちのみなさんも、次第にうちとけ、普段は口にしない心情を吐露したり、自分でも気づいていなかった気持ちに気づいたりといったことが起こります。

実は、この「気づき」こそがキャリアコンサルタントによる面談を行う大きな意義なんです。

突然あらわれた自分の本音にびっくりしてフタをしてしまうのではなく、じっくりと味わい、向き合うことで、次なるモチベーションにつなげることができたり、3年先、5年先の未来を見つめるきっかけにできたりします。

今回は、テレワークをきっかけに行ったオンラインのキャリア面談で自分の本音に気づき、気持ちを前向きに切り替えることができた方のご相談事例をお伝えしていきます。

会社と自宅を往復しているだけと気づいた

《ご来談者プロフィール》
もりのさん(女性・30代前半)仮名
IT系企業で営業企画の仕事に従事、都内で1人暮らし
仕事は順調ですが、テレワーク導入以降ついキリなく働いてしまい、心身共に疲れを感じているようです。

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仕事には手を抜きたくない真面目で責任感が強いもりのさん。
コロナ前はほぼ毎日残業もあって、
会社と一人暮らしの自宅を往復する日々だったそうです。

緊急事態宣言を受けて、会社が全社一斉テレワークとなり、
通勤がなくなってすべて自宅での仕事となりました。

そこで、ふと気がついたといいます。
「私、会社以外に行く場所なかったんだな」

会社に行かない=外に出る理由がない

これまでは、仕事帰りに時折同僚と食事に行くくらいで、
土日は近所に買い物以外で出かけることもなく
自宅で過ごすことが多かったそうです。

今まで、特に意識をしてこなかったけれど、
改めて、限られた世界で生きていること、
自分の世界がとてもせまくなっていたことを
テレワークを通して知ったといいます。

「学生時代の友人の多くは子育て中で、話す機会もないし…
 趣味というほどのものもないので…
 テレワーク中は余計に仕事ばかりしてしまいます

そして「この先の自分がまったく見えない」
不安を吐露してくれました。

これまでは日々のことしか見ていなかった。
コロナをきっかけにしたテレワークが
自分の“今”を見つめる機会になった
のかもしれません。

「私、さみしかったのかも…」

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「学生時代の友人は結婚したり出産したりしていて
仕事一筋の今の自分とは話が合いそうになく
オンラインで会おうという気持ちにもなれません。

同僚に相談するにも、みんながテレワーク中です。
オンラインミーティングは業務上必要な会話が中心で、
相談を切り出すタイミングはありません」

通勤がないので、自宅での仕事に区切りがつかず
夜中までつい仕事をしていることが続いているといいます。

もりのさんは、はじめて
「私、さみしかったのかもしれません」
今の感情を言葉にしました。

面談で感情を表現できたもりのさん。
オンラインの画面越しでも、
少し目に涙がたまっているのがわかります。

私はただ、そのもりのさんの気持ちを受け止めます。

テレワーク中、いつもより業務時間が長くなっていたのは、
自分の感情と向き合わないようにしていたからかも
しれません。
そこに気づけたこと、そして気持ちを言葉に出せたことは、
とても大きな一歩です。

「世界を広げたい」、その理由は?

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もりのさんから、
「どうしたら、世界を広げていけますか?」
というご質問がありました。

「今しか見てこなかったせいで、
 この先の自分についてどう考えていいかわからない。
 先がまったく見えないんです」

どうやったら世界が広がるのか?

でもその前に、
もりのさんが、世界を広げたい理由はなんでしょう?
まずはそこが大切です。
自分の未来をどうしたいのか?

キャリアコンサルタントが、
すぐにアドバイスできることではありません。
答えはもりのさんの中にきっとありますから。

もりのさんとの対話は、続きます。

《後編》はこちら

文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師

*なおこの記事は、個人の特定を避けるため、一部プロフィールや内容等を変更しています。
*キャリアコンサルタントには「守秘義務」が課されています。


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