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ステイホームで運動不足を解消するとっておきの方法とは?

はじめまして!保健師の小林智美です

私は普段、企業の健康管理室で保健師として従業員の健康管理に努めています。またそのかたわらで、産業保健に関わるセミナーやコンサルティングも行っています。
これから、どうぞよろしくお願いします。

そろそろ気になるコロナ後の健康状態

さて、新型コロナによる緊急事態宣言のために自粛生活が続いていますが、みなさんはいかがお過ごしですか?

お子さんの休校・休園で育児に追われる日々の方、
またその環境下でテレワークを余儀なくされている方、
お一人暮らしで寂しいと感じている方、
やりたいことができなくてストレスが溜まっている方……
いろいろな方がいらっしゃると思います。

「ステイホーム」なんてちょっとかっこよく言われても、正直しんどい…という方は多いのではないでしょうか?

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企業で保健師として働く中で、
「運動不足で太ってしまった!」
「体を動かさないので、肩こり腰痛がつらい!」
「体力がなくなった気がする!」

といった声を従業員のみなさんからよくうかがいます。

保健師としては、このコロナ禍を乗り越えた後の健康診断の結果を見るのが少し怖い…というのが現在の本音です。

そこで今回は、長引くおうち生活で、運動不足を解消する方法をお伝えしたいと思います。

外なら大丈夫なはずが…公園が3密になっている!

自粛生活の中で行う運動や気分転換については、

●自粛生活っていってもジョギングはしてもいいんでしょ?
●子どもを公園に連れていくことは禁止されてないんですよね?
●ソーシャルディスタンスを保てば散歩してもいいんでしょ?

……そんな風に思っている方も少なくないようです。ですが、ここで考えていただきたいのは、何のための自粛生活か?ということ。

確かに、厚生労働省の「人との接触を8割減らす、10のポイント」でも、少人数でのジョギングやすいた時間の公園へ行くことなどは示されています。

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しかし今は、普段なら会社や学校に行く人が家にいて、その方々が運動不足だからと散歩やジョギングに出かけるわけです。
お住まいの地域にもよるとは思いますが、人であふれかえっている道や公園の情報は多く目にしますよね。

「禁止されてないからやっていい!」ではないんです。感染しない、させないための自粛生活ですから、時間や場所を選ぶことは必要ですし、可能ならば、本来は外に出ない方がいいわけです。

ですから今回は、あくまでおうちの中で運動不足を解消する方法を考えていきましょう。

住環境に関係なく誰でもできる運動「家事」!

すでに実践されている方も多いようですが、動画に合わせてダンスや体操、ヨガなどをするのもいいですね。
実はラジオ体操は肩こり解消に効果があるので、お子さんと一緒に楽しみながら行うのもおすすめです。

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とはいえ住まいの環境によっては、
「マンションなどで階下への音が気になりできない」
「テレワーク中の他の家族がいてできない」
など、
さまざまな理由で自宅での運動が難しい方もいらっしゃると思います。

そんな方でもばっちり自宅でできてしまうのが、
家事で消費カロリーを稼ぎ、筋力低下を防ぐ方法です。

少し耳慣れないかもしれませんが、運動強度を表す単位にMETs(メッツ)というものがあります。

METsは安静時を1とした時と比較して、その動作が何倍のエネルギーを消費するか示しています。実は、ダイエットなどでおなじみの「カロリー」はこのMETsを使って下記のように計算しているんですよ。

METs×体重(kg)×時間×1.05=消費カロリー(kcal)

●犬の散歩:3メッツ
●やや速いウォーキング:3.3メッツ

です。これに対し、

■窓ふき:3.3メッツ
■掃除機をかける:3.5メッツ

と、ほぼ同等の運動強度です。

つまり、それぞれを同じ時間実施したときの消費カロリーは一緒なんです。

例えば、体重50㎏の人がやや速いウォーキングを30分したときの消費カロリーは87kcal。そして、窓ふきでも同じだけのカロリーが消費されるわけです。

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また、掃除機をすみずみまでかけようとすると、物をどけたり、もどしたりと思いのほか動きますし、窓ふきは手を広げて大きな動きや、上から下への屈伸運動があったりと全身運動になります。

お風呂掃除や拭き掃除はさらに運動強度が高く、筋トレ代わりになるのでおすすめです。

お風呂掃除も拭き掃除も運動強度は3.8メッツ。
先ほどと同じように、体重50㎏の人が30分これらの家事を行うと100kcalも消費することができるんです。

これらの掃除はしゃがんだり、四つん這いで行うため、たくさんの筋肉を使います。また拭き掃除は、立ったり座ったり、雑巾を絞ったり、水の入ったバケツを運んだりと、全身の筋肉を使うので効果的です。

膝をつかないスタイルの四つん這いや、スクワットを途中で止めているような中腰状態で窓を拭くなど、工夫次第ではさらなるカロリー消費も期待できますよ。

家事だって、ウォーキングなどと同等、もしくはそれ以上のカロリー消費や筋トレができる。これって、ちょっと驚きじゃないですか?

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運動もできて、消費カロリーも稼げて、おうちもピッカピカ!気持ちもスッキリするので一石三鳥、いや四鳥と言ってもいいかもしれませんね。

風薫る5月は年末より大掃除にうってつけ

お外に出かけなくても、家の中で運動をする方法はたくさんあります。

もちろん、気分転換のために時間や場所を考慮してウォーキングや公園にでかけることは必要ですよね。でも、自粛生活の意味をもう一度振り返り、家事で運動不足解消を試みるのも一案ではないでしょうか。

GWも後半戦。この機会に断捨離や大掃除に取り組んで、家族みんなで運動不足解消を狙ってみてはいかがですか?

文/小林智美(こばやし・ともみ)
産業保健師、メンタルケア心理士、アンガマネージメントコンサルタント叱り方トレーナー


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