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「キャリアコンサルタント」ってどんな人?

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。

キャリアコンサルタントって案外、「聞いたことはあるけど、よく知らない」という人が多い仕事です。

キャリアコンサルタントは「働く人、働きたい人に寄り添い、その人が納得のいく選択ができるようにする」キャリアの伴走者。上手に活用することで、みなさんのキャリアや人生をイキイキと充実させることができます。

今回は、私たちキャリアコンサルタントがどんな人なのか、みなさんにどんなメリットを持たすことができるのかについてお伝えします。

私がキャリアコンサルタントになったわけ

私がキャリアコンサルタントを目指したのは、IT企業で管理職をしていた時でした。

IT企業にありがちですが、深夜残業も多くプライベートなんてなんのその。仕事中心の生活を送る若い社員たち。そんな彼らが時折、とても深刻な顔をして私のところに「相談があるんですけど」と訪れるのです。

自分の能力や仕事への適性だけではなく、「いつ結婚したらいいの?」といったライフイベントを含む人生についての相談もありました。

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そのとき私は、「時代はこんなに進んでいるのに、悩んでいることは20年前の私と何にも変わっていないじゃないか!」……と驚きました。

「もっと自分の人生を見つめる機会を持って欲しい」
「評価される仕事だけではなく、自分らしい生き方も考えて欲しい」

これまでの自分の経験を活かして「一人ひとりの力になれることがしたい」と思い、いろいろ調べたところ、キャリアコンサルタントという仕事に出会い、40の手習いで資格を取得しました。

キャリアコンサルタントは国家資格です。

「キャリア」という言葉に抵抗がある方もいるかもしれませんが、キャリアには、職業や仕事だけでなく「人生全体」という深い意味があります。詳しくはこちらで解説しているので、あわせてご覧ください。


広がるフィールド、企業内での活躍も

「キャリアをコンサルティングする」という、その名の通りのキャリアコンサルタントの仕事ではありますが、実は守備範囲はとても広いんです。

もともとの業務は、「働きたい人」への支援。主に、大学のキャリアセンターやハローワーク等の公的機関、人材紹介会社などで就職や転職のサポートを行います。

けれど昨今、少子化で働ける人(労働生産人口)が減っています。
高齢化で70歳までの雇用が当たり前になるかもしれません。
グローバル化で多様化する価値観を受け入れていくことも重要になります。

若者の採用、社員の定着、育児と仕事の両立支援、女性の活躍、シニアの活用、グローバル採用、価値観の多様化、テレワーク推進等の働き方改革……。

雇用や働き方が大きく変化していることで、企業の課題がとても増えています。そこで注目されているのが、「企業内キャリアコンサルティング」です。

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働く人がいきいきとしていれば、組織への貢献度も上がり生産性も向上します。そして、雇用する側も雇用される側もWin-Winの関係になれる……これが、企業内でキャリアコンサルティングを導入するメリットです。

私がキャリアコンサルタントを続けている理由は、そのためのお手伝いができるからでもあります。

どう進む?何をする?企業内キャリアコンサルティング

企業内キャリアコンサルティングでは、主にキャリア研修やキャリア面談を実施して、会社で働く人の成長を支援していきます。具体的にどんなことをするのか見ていきましょう。

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《キャリア研修》
これまでの経験を棚卸ししたり、自分が働く上で大事にしている価値観を考えたりしながら、この先のビジョンを設定していきます。

仕事に精一杯で、日頃から自分について考える時間を持てている人は決して多数派ではありません。ですが、こういった研修で“自分の今”を分析し、これから取り組むことを明確にしていくと仕事へのモチベーションが上がる人が多く、とても効果があります。

《キャリア面談》
社員一人ひとりに面談し、じっくりとお話を聴きます。

経営者や人事担当者の中には「社員に転職を勧めてしまうんじゃない?」と不安をもたれる方もいますが、キャリアコンサルタントが転職を勧めることはありません。

面談では、働く人がどんな課題に直面しているのかを一緒に考えます。
社外のキャリアコンサルタントは中立で客観的な立場で話を聴くことができるので、上司や人事には相談しにくい話、プライベートで悩んでいること、職場の人間関係の問題、将来への不安、自分の能力や適性についてなど、「安心して本音を話すことができた」といった感想もいただけます。

ビジョンを持ちながら人材育成や人材活用を体系的・計画的に進めていくことは、企業にとって重要です。そして社員も、入社したら安心してしまうのではなく、社員自身が自分のキャリアを見据えて、仕事に対して意識を高く持っていくことが大切なのです。

企業内でのキャリアコンサルティングは、その両方に効く薬なのです。

キャリアコンサルタントが得意なこと

では、キャリアコンサルタントを活用するうえで、企業やそこで働く従業員のみなさんに感じてもらいやすいメリットを改めてあげてみましょう。

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【その1】寄り添って耳を傾けます
キャリア(人生全体)を扱うキャリアコンサルタントは、どんな話でもその人の人生に寄り添うつもりでお聴きします。
解決策についてアドバイスを求められることもありますが、基本的には相談者の中に答えがあると考えています。いろんな質問をしながら、相談者自身が主体的に選択できることをサポートしていきます。

【その2】メンタル不調の兆候を見逃しません
メンタル面や健康に不調をきたしてから気づくのでは遅いのです。休職しなければならない状態になる前に、心身の不調の兆しをとらえる側面もキャリア面談は持っています。
キャリアコンサルタントから適切な専門家(産業医や産業保健師)へ早期にリファー(ふさわしい方へ送ること)することで、企業にとって大切な人材を失わずにすむ可能性を高めます。
 
【その3】マネジャーの負荷を緩和します
今は、通常の評価面談だけでなく定期的な1on1などの面談を積極的に導入している企業もありますが、プレイングマネージャーが多く十分に部下の話を聴くには負荷が高い場合もあると思います。そういう時に、定期的な企業内キャリア面談を活用いただけます。

【その4】本音をしっかり引き出します
人は、思考や感情を言語化しながら整理していくのだと思っています。誰にも話せないまま職場での悩みを肥大化させ、周囲のアドバイスを受けて離職を選んでしまう方もいます。問題を俯瞰して冷静に対応できれば解決の方法もあったかもしれません。
評価されることを求めるあまり、健康を害していることに気づかずに仕事にまい進する方もいます。すべての人に良く思われようと思うあまり、仕事を断れずにどうにもならない状態になってしまう方もいます。
そんな状況を相談できるキャリアコンサルタントがいれば、落ち着いて状況を整理し、必要な対応について人事や上司に提言することもできます。

最後に

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キャリアコンサルタントがどんな人なのか、ご理解いただけたでしょうか。

私たちが扱うのは「仕事」だけではなく「仕事を含む人生全体」です。人生の伴走者であるキャリアコンサルタントは、企業と社員をつなぐ架け橋になれると思っています。

働く人、一人ひとりに人生があります。
企業はその集合体です。

経営者や人事ご担当の方は、社員の定着や仕事への意識・意欲を高めるため、生産性向上を向上するためにも、ぜひキャリアコンサルタントの活用をご検討ください。

文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師


さんぎょうい株式会社が提供する、はたらく女性の健康とキャリアプログラム「mezame(めざめ)」では、組織で働く従業員のみなさんが長くイキイキとキャリアを重ねるためのサポートをしています。
女性従業員のモチベーションアップ、定着、ライフイベントと仕事の両立支援等、気になるテーマがある企業さまからのご相談をお待ちしています。


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