【体験談】子供英会話講師として働くメリット・デメリットなど




最近個人的にハマっている、「実録!英語を使う仕事シリーズ」第3弾です。


★第1弾★

★第2弾★

今回は事務系ではなく、「英語を教える仕事」の体験談をまとめます。


※個人的感想を書き連ねる回です。当然ながら感じ方は人により異なるので、同じ仕事を経験しても全く違う意見・感想を持たれる方もいると思います。(・・・こんな保険をかける程度には臆病な筆者。)


いずれにしても、

「英語を使う仕事に興味があるよ!」

「子供英会話講師という仕事に興味があるよ!」

「体験談求む!」

などと考えている就職活動中の学生さん、はたまた転職検討中の社会人の皆さんに見ていただけたらいいなと思いつつ、ひっそり書きますね。



About Me


・子供英会話講師として2年弱勤務。赤ちゃん(with 保護者)から小-中学生まで幅広く指導。

・志望理由:英語学習を通し、「自分の意見をしっかりと言える/異文化を学び多様性を受け入れられる/何事もポジティブに向き合える」子供を増やしたいと思ったため。

・採用時ステータス: 20代後半/小学校英語準認定指導者資格(J-SHINE)※保有/TOEIC800−900くらい/英検準2級(←高校の時に取った化石資格)

※小学校英語準認定指導者資格:特定非営利活動法人 小学校英語指導者認定協議会(略称:J-SHINE)が認定を行う、英語教育指導者のための資格の一つ。「小学校英語指導者」資格を付与するには指導経験時間が不足しているが、指導者としての知識などについて一定の技能と知識を有していると認定するもの。この資格を得た後、その指導者の指導時間が 50 時間を越えたと登録団体が認めた段階で、「小学校英語指導者」の正資格に書き換えることが可能


・留学経験は短期語学留学2ヶ月のみ。あとは英会話学校通学と独学で英語学習。(留学と英語学習で、おそらく通算2年ほど費やしました)

小学校英語準認定指導者資格は英会話学校の所定コースを修了し取得。(このコースの期間はおそらく1年強。通う頻度によってはもっと早く修了できたと思われる。)

・指導方法は、小学校英語準認定指導者資格取得のための講座で学んだほか、採用後の研修で習得。見よう見まねと怒涛の暗記でなんとかしましたが、そこそこにしんどかったですね。


日々の業務(主なもの)


・レッスン計画作成

生徒の通学期間やコースに応じ、全体の学習スケジュールと各回のレッスン計画を作成。しかし生徒が子供だからこそ、その日の気分や体調によって計画通りには進まないことも多々でした。

気分については、飽きさせないアクティビティーを適宜取り入れるなど講師側の工夫が必須。保護者を巻き込んで(親に褒められたいという心理を活用し)子供のやる気を維持させることも効果的。それでも現実問題、うまくいかない時も割とあり、自分の力量不足を感じたものです。


・授業の実施

ある程度マニュアルありだったので、基本的にはそれにそって授業を進行。ゲームや音楽を取り入れて楽しみながら英語を話せるように導きます。ゲーム性の高いアクティビティは、熱中できる分、喧嘩になったり、負けて泣く子がいたりとかなり賑やか。

講座や研修を受けていた時には想像しきれなかった現実がそこにはありました。

生徒の一人一人の様子や参加具合をチェックしつつ、講師も動き回ったり歌ったり、俊敏に飛びついてくる子ら(笑)を抱えたりと、現場は想像以上に体力を使う仕事でした。保育士や幼稚園教諭の方ならそれがいかほどか想像いただけると思います。(楽しかったですが!)


・宿題の提示、採点

宿題の内容は、生徒のレベルなどに応じ講師自身で決めます。

採点はレッスン内で行いました。学校によって、いつ宿題の採点を行うのかは異なると思いますが、私のところはレッスン時間内で採点も済ませなくてはいけなかったので、複数の生徒がいるグループレッスンでは、正直時間が足りませんでした・・・。もっとじっくりと見てあげたかったです。


・子供の学習状況管理、保護者への報告

責任重大なパートです。

まず学習状況の管理。レッスン計画や当初の生徒のレベルに照らし合わせながら、どこが伸びたか、どこが課題か、などを記録します。コース修了時に成績表のようなものを渡すので、日々細かく記録しておかないと正確な成績が出せません。(あとでやろうと貯めておくと忘れます。大量に生徒がいるし、人間なので。。)

そしてレッスン終了後には、保護者の方への説明も必要です。これも、かなり緊張する仕事でした。なぜなら、文法や表現、発音に関するさまざまな質問が飛んでくるからです。もちろん、どんな質問にも回答できるのが講師なのかもしれませんが、ネイティブではないので完璧はあり得ません。

どのような質問がくるか想定し、必要に応じて予習やネイティブ講師に確認をするなどの細かな努力が欠かせないものだなと感じました。(必死に調べるので覚えるし、確実に身にはなります!)

あとは時代の流れなのか、そもそも保護者の方が海外経験豊富で英語が話せるというパターンも多く、それはそれで緊張しました。


・レッスン教材作成

教材は色や数、単語を覚えるためのカードやちょっとしたおもちゃなどを使用していました。基本的には用意されているけれど、毎回同じものを使うと子供が飽きたりするorしばしば破壊されるので、適宜手作りしていました。画用紙などは、会社で用意しています。子供たちがより関心を持って学べるよう、その時流行っているアニメなどを取り入れつつ作成するため、戦隊モノやプリキュアに詳しくなりました。


・保護者や生徒のレッスン相談に応じる

電話や対面でのカウンセリングなどを随時行います。小学生や中学生になってくると、うちの子家だと宿題やらないんですどうしましょう系の相談が多かったですね。あとは英検やTOEIC(Bridge)を受けさせた方がいいのかしらといった資格系の相談も。

小学校高学年〜中学生の生徒になってくると、クラスメイトとうまくいかないといった思春期特有の悩みも聞いたり。必要に応じクラスや授業内容の調整をしたりしていました。




子供英会話講師のここが魅力!


・子供から元気をもらえる!

なんといってもこれですね。子供のパワーは無限大。一緒にレッスンを行うだけで元気を貰えます。純粋に英語を楽しんでいる姿を見ると、自分が英語学習を始めた頃のワクワク感を思い出せ、自分も頑張ろうと思えるし、将来は英語の先生になる!海外で働きたい!など子供たちの夢を聞いている瞬間も大好きでした。こういう経験をもっとたくさんの子供たちにさせてあげたいなと思っていました。


・子供から学べることが多い

英語学習者として、子供が英語を習得する過程はとても興味深く、学びが多いです。重要構文や単語を、ゲームやロールプレイを通し、繰り返し話し定着を図っていくのですが、最初は講師の英語をリピートすることもままならなかった子供が、繰り返し声に出す練習を重ねることで、数ヶ月後には日本語を介さずとも意味を把握し、フレーズや文章単位で言えるようになっているのです。

このような姿を見ると、日々学習を継続する大切さ、英語を「使う」大切さを思い知らされ、とても良い刺激を貰えます。

また時折、子供からは素朴で鋭い質問がきます。昔学校で習った知識に囚われ、自分ではもはや疑問にすら思わなくなっていたことが、彼らの質問により掘り起こされ、新たな知識を得るきっかけにもなりました。


・なんか性格が明るくなる

講師は基本的に笑顔!明るい!声が大きい!的な人が多いです。女性比率も高し。

私は元々声は小さく内向的なタイプなので、100パーセント太陽のような明るさはなかったと思いますが、それでも日本語にはない、英語特有のポジティブな言い回しや、周りの方々のキャラクターに引っ張られ、元気を貰え、普段よりは明るくいられるところがとても好きでした。

ポジティブさや明るさは伝染しますね!

ちなみに、私明るくないし向いてない?と思う人も心配ありません。そういう人の需要もあります。人間なので、色々な先生・保護者・生徒がいます。明るくない方が落ち着くんだという人もいるでしょう?全ては相性です。

私も「落ち着いている優しい先生」ポジションをキープして、生きていました。思春期のちょっと斜に構え始めた生徒などと接する場合、明るすぎると引かれる場合もありますしね。笑 


・音楽や踊りが好きな人は楽しい

嬉しいことに(?)毎日踊り歌う機会があります。

もちろんそれらはわかりやすく教えるツールでしかなく、生徒に英語表現や単語を覚えてもらうことが第一優先ですが、音楽や踊りが好きな人であれば普通に楽しめる、ハッピー環境だと思います。

プライベートでも歌い始めますよ。


・中学文法のおさらいができる

英会話のクラスといえど、ベースは文法学習なので、レッスンの練習をしながら、中学文法の総復習ができちゃいます。このベースが身に付くことで、自分自身の英文読解力や会話力、ライティングなどのスキルを高めることができます。


・英検やTOEICの問題形式に関する知識が得られる。

今や多くのスクールで英会話だけでなく英検やTOEIC(または英検Jr.、TOEIC Bridge)の対策レッスンを行っています。

私の所属していた学校でも、ほとんどの生徒が幼稚園や小学校低学年から英検Jrまたは英検など資格試験の勉強をしていました。よってそれを指導する側は、どうやったらハイスコアが取れるか、家庭学習はどう進めればいいかなどの分析をします。

ここで得た知見は、自身の資格取得のための学習にもある程度応用可能なので、大変役立ちました。(英検は面接試験対策で試験監督役もやるので、面接官側の気持ち、視点も学べました。)



子供英会話講師の仕事で苦労したこと


・時間外労働が多い

この仕事だけでなく、教職あるあるだと思います。授業準備の時間が、労働時間にカウントされない問題。

勤務時間内はほぼ授業の予定で埋まっているため、先に挙げた採点の時間、評価の時間、次回の授業計画のアップデートと準備、壊れた教材の修理、保護者への連絡、自分の知識のアップデート、メール対応などの時間を捻出するのは至難の業でした。結果的に給料の発生しない時間帯にそれらの業務を行うことが日常になっていき、疲弊していきました。

「タイムマネジメントの問題」というのもあるのですが、それにしても時間がなさすぎるなあと感じていました。

時間外労働を避けるためには、クチコミなどをみて時間外労働の少なそうな学校を選ぶか、会社に直談判し改革に踏み切るか、ものすごくタイムマネジメントを工夫するかしかないのかなと思います。

そうでなければ、時間外労働も受け入れた上で頑張ることになると思われます。


・営業(教えることのみに集中できない)

民間のスクールである場合、生徒数を増やす、または受講してもらうコース数を増やすなどして売り上げをあげることは必須。英会話学校が乱立する中、生き残りをかけた戦いがあるのが現実です。

営業をする担当者はいたものの、生徒のことをよく知る講師が、最適なコースへ切り替えという名の営業を行ったり、単発のコースを紹介したりすることも多々ありました。なので、セールストークも上手になる必要がありました。大変勉強にはなりましたが、教えることだけでなく、売り上げも管理しないといけない点は本当に苦労しました。


・保護者対応

日々の業務にも記載しましたが、これも私にとってはストレスが大きい部分でした。もちろん、理解ある保護者の方も多かったのですが、お金さえ払えば、学校に通わせているだけで英語が上達するという考えの方もいらっしゃり、そういった方に予習・復習(つまり家庭で行う、本人の努力部分)の重要性を理解いただくのが大変でした。共働きの家庭も増えていますし、なんとかスクール内で完結させて欲しいという気持ちもわからなくはないですが、やはり大人も子供も、上達のためには地道な学習が欠かせないのです。


・知識が不足していても勉強する時間が取りづらい

これは私の力量不足によるところが大きいのですが、TOEIC800−900点あったからといって、英語の全てを理解しているわけではないんですよね。なので指導力を高めるためには、勤務外での自主学習も欠かせません。ですが、当時は残業やレッスン準備に時間を取られ、うまく学習時間を捻出できず苦労しました。

私の結論としては、やはり中途半端な知識で採用されても苦しいだけなので、せめて英検1級、TOEIC900点以上を保持した上で働き始めた方が楽だろうなと思いました。

英語力や指導力は資格だけで図れるものではないですが、やはり保護者は資格の有無を気にしますし、上位資格を取りたい生徒も年々増えているので。今は小学生でも英検2級や準1級を目指す子供、指導してほしい子供も珍しくありません。私も英検対策のレッスンを持つことになり、準2級しかなかったので慌てて準1級を取りました。(2級はどこにいった。受けてません。)

よって、実際求人ではTOEIC700(or 600)点や英検2級などで採用される学校も多いのですが、多分働き始めてから大変だと思います。

子供に教える=英語力が若干低くてもいいということはないと痛感しました。


・帰宅が夜遅くなる

中学生などは学校終わりに来るので、どうしても夜のクラス開講が多くなります。そうなると当然ながら帰りは遅くなります。反対に出勤が遅い場合もあり、夜型の人にはメリットなのかもしれません。

こればかりは好みなのでなんとも言えませんが、朝日を浴び、明るいうちに帰りたい人には地味に辛いと思います。


・いやいや通わせられている子への向き合い方が難しい

英語が好きな生徒ばかりとは限りません。保護者からの要請で望まずに通っている生徒のモチベーションをあげるのには苦労します。

床に寝る、全くレッスンに参加しない、他の生徒の妨害をする、乱暴な振る舞いをする、脱走する(笑)などの生徒たちをうまくコントロール(そして捕獲)できるかが鍵です。脱走はちょっとかわいい。


・講師に求められる能力の一つが自分のもっとも苦手とするものだった

私は「臨機応変に動くこと」がとてつもなく苦手。

子供英会話講師に「臨機応変さ」が求められることは、採用前から理解していたつもりでした。でも、実際にやってみて、想像以上に素早いタイミングで、何回も判断を求められるし、想像以上に私の頭の回転が遅いことを知り絶望し、辞める要因の一つとなったのでした。(詳細は以下ツイートの通り)​

まあたいていの仕事では臨機応変な対応が必要なんですけどね。

それでも人と対面で行う仕事。判断を間違えば、子供の身に危険が及んだり、将来に影響を及ぼす可能性もある。

その重圧がどうしても耐えられなかったし、生徒を上手に導く力が不足していました、当時の私には。


子供英会話講師に限らず、先生って知識があるだけじゃできない。わかりやすく説明するだけでも足りない。人の人生の一部を背負っているのですから責任も重大。頑張っている人はすごい!えらい!天才!



この業界に関心のある方へ


今回の記事で、仕事内容などを少しでも具体的にイメージしていただけたのなら幸いです。

あ、なんかこの仕事私にもできそう、やってみたいかも!!と思ったら、他の方の体験談も探しさらに情報収集してみたり、J-SHINE講座を受け小学校英語指導者資格取得を目指してみたり、フォニックス指導の教本を読んでみてもいいかもしれないですね!

自ら行動を起こすことで、他人の体験談だけではわからなかった、あなただけの新たな気づきが生まれると思います。それらを踏まえ、本当に講師を目指すか検討してみてはいかがでしょうか。


結構ネガティブなことも書きましたが、子供英会話講師は労働環境に恵まれ、仕事内容が自身の適性にあえば、本当にいい仕事だと思います。


子供たちの素直な感情表現や笑顔は現代社会で疲れ切った大人を元気にしてくれますし、生きる希望を貰えますよ。大袈裟でなく^^

これからの社会を担う若者たちの大切な成長の過程を、英語や異文化を教えるという形で支援できることに、何よりもやりがいを感じます。


ではまたお会いしましょう♬ See you next time!


MEZ

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