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ロシア・サンクトペテルブルクの冬、雪のある生活

私は1年のうち2~3日しか雪が降らないような場所で生まれ育ったので、雪が降ろうものならもう大変、平日であれば、明日会社行けるかな?とか早めに出ていこうかな?とか、週末ならば、寒いし滑りそうで危ないから外に出ない方が良いねという感じで、巣ごもり準備整えて雪を待ち受けたものでした。

サンクトペテルブルクで生活を始めたのが冬からだったのですが、雪国での生活習慣と言ったらいいのでしょうか、それが新鮮・発見・驚きの連続でした。河が凍るとか湖が凍るとか、そしてその上を歩く、とか、本当に不思議でなりませんでした。

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上の写真はサンクトペテルブルクの北にあるラドガ湖です。手前が陸地でその先が凍って雪の積もった湖、そして空です。境目がわかり辛いですね。

パウダースノーを踏みしめた時の足の感触やキュッキュッという音、温度が低いときに降る雪が雪の結晶の形のままだったり、少し陽が射していたり街灯の下などではその雪の結晶がキラキラ反射してまるでダイヤモンドダストのようだったり、サンクトペテルブルクの雪景色の美しさに魅せられました。

そして何よりもそんな悠長に雪を楽しめるのも、どこの室内でも暖房がしっかり効いているので体はぽかぽかで、外は寒いというのが前提なのでかなり着込んで防寒対策しっかりした状態で出掛けるので、余程長時間外にいない限りはあまり寒い思いはしないからです。
マイナス1度くらいまでは本当に寒くないです。それ以下になると、空気冷たいなぁと感じたりマイナス10度前後になってくると冷たいというより痛いという感覚になってきます。

雪の降り始めや、降雪の後に少し気温が上がって溶け始めるころが一番滑って転びやすく危険で、地元民でも女性や特に年配の方々はかなり注意深く小股で歩いています。男性や若者たちは大股で何事もないかのようにずんずん普通に歩いていますが、滑って転んでいる人を見たことがありません。地元民は、地面を見れば滑りやすいところとそうでないところがわかるみたいです。

車のタイヤは12月から3月まで雪用タイヤに変えなければならないと言う規則があり、一般的にはスパイクタイヤが使われているので、道路が削られて車が良く通る部分は窪んでいます。道路が削れることによって出る砂塵のようなものによるアレルギーもあります。

そして何より驚いたのことが、雪かきや除雪専門のお仕事があることです。冬以外の季節には、植物や公園などのベンチやごみ箱、路上の清掃などなど1年を通してのお仕事のようです。その専門のお仕事の方々がいるお陰で、道は歩きやすき転びにくく、どんなに雪が降ろうとも通常の生活が営めるわけです。お仕事をしている方の近くを通り過ぎる時ときには小声でいつもスパシーバと感謝せずにはいられません。

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日本で雪が降ると、滑らないように歩きやすいように雪かきをしますが、朝には地面が凍っていたりして危ないこともあります。こちらでももちろん雪を取り除いていますが限界もあるようで、すでに凍ってしまってるところや凍りかけているところには、小さな小さな砂利の混じった土のようなものが撒かれています。それは強力な滑り止めの役割を果たしてくれています。ただ、ちょっと赤茶っぽい色なので、せっかく雪に覆われた真っ白な世界に茶色い線が入り込み残念なのですが...そうも言ってはいられません。そして、靴についたり跳ね上げて服についたりしていつの間にか部屋に侵入しているので、冬の間は気をつけていないと小さな小さな石つぶが部屋の隅にたまります。

12月はたまに雪の降る日がある程度で、少し積もっては溶けてを繰り返し、1月になるとその雪の頻度が増え、あちこちで雪が溶けきらずに残り始めます。そして青空を見られる日がほぼなくなり、日照時間も5~6時間の日が続きます。1月後半から2月には雪がだいぶ積もり、道路や歩道だけに雪がない景色になります。今年は2月後半に盛大に雪が降り、歩道にもかなり積もりました。2月には青空が見られる日が増え始め、徐々に日照時間も増えて、3月にもなれば7時過ぎにはだいぶ明るくなってきます。春の訪れを感じ始めます。が、まだまだ気温はマイナスで雪の降る予報も出ているので、まだしばらくは帽子にマフラー・ダウンコートにブーツは必須です。

サンクトペテルブルクは夏の観光がメインのようで、広くて美しい公園がたくさんあります。冬にはなかなかのんびり歩けませんが、美術館や博物館、バレエやオペラやコンサートにロシア正教会、ショッピングモールなどではクリスマスデコレーションで煌びやかになり、室内でもたくさん楽しめる場所がありますし、なんといっても雪の中のライトアップされた建物や冬景色の美しさ、私は断然冬をおすすめします。

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