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ロシア・サンクトペテルブルクの乗り物事情と日常

サンクトペテルブルクの交通機関はメトロ(地下鉄)・トラム(路面電車)・トローリーバス(電気バス)・バス・ミニバスがあります。

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メトロは1号線から5号線まで、それぞれ赤青緑橙紫の色で表示されています。駅はたいてい入り口と出口が分かれていて、出口は外側から進入禁止になっています。自動販売機か窓口で切符にあたるコインを購入するか、クレジットカード、またはSuicaのようなカードで改札を入ると、目的地まで何度でも乗り換えることができます。すべて各駅停車で、1つのホームの右と左に上下線が通っていて、進行方向にある駅名の書いた標識があるので、どちらに乗ればよいのかとてもわかりやすくなっています。
車内で比較的若い男性が座っていると、年齢関係なく女性が乗ってくると席を譲ったり、混んだ車内で持ちにくそうな荷物を抱えた人がいると、知らない人同士でも座っている人が声をかけて荷物を膝に置いてあげたりという場面を何度か見かけました。声をかける方もかけられる方もとても自然なのです。

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トラムは道路上に停留所があり、各停です。Suicaのようなカードを持っていれば、乗車時に柱についているカード端末機のような機械にピッとかざします。カードを持っていなければ、そのまま乗っていると蛍光オレンジのベストを着た人(たいていはおばさん)が料金回収にやってきます。支払うとちっちゃな紙切れを渡され、それが支払った証拠になるのでうっかりまた料金回収に来られた場合に備えて取っておかなければなりません。カードで払った場合でも、おばさんが黒い小さな機械をカードにかざし、支払ったかどうかを確認します。
地下鉄はほぼ北南間を通っていて、東西間の移動が不便です。トラムはそれを埋めるように縦横斜めの路線があります。

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バスは3種類あります。電線のついた電気(トローリー)バスと電線のないバスと、マイクロバスのようなミニバスです。トローリーバスとバスは、乗り方も支払い方もトラムと同じです。各停です。ミニバスは乗車時に運転手さんに支払い、各停ではないので自分の降りる場所で、「おります!」と運転手さんに伝えなければなりません。ハードルが高いです。

メトロ→トラム→トローリーバス→バス→ミニバスでサンクトペテルブルク中を網羅しているような感じです。

ロシアでは、ロシア正教の教えでもあり、良い人になりなさいと言われて育つというのを聞いたことがあります。全く知らない人同士が気軽に声をかけて助けたり助けられたり助けを求めたり、また助けましょうか?というご厚意に、結構です、大丈夫ですと言って断るのもとても自然です。

私がスーツケースを2つ持ってバスに乗っていた時、降りるバス停になって降りかけると、先に降りた子供連れの男性が何も言わずに大きな方のスーツケースをサッと降ろしてくださいました。それをきちんと地面に置くと、今度は小さな方のスーツケースも降ろしてくださいました。
ある時は、雪で凍った3~4段ほどの小さな階段を降りるとき、おっかなびっくり恐る恐る足を踏み出そうとすると、近くにいたおじさんがサッと手を出して支えてくれました。
スパシーバしか言えない私は感謝を表すために、2回3回と繰り返して精一杯感謝の気持ちを表したつもりでした。
あとは、よくおばあちゃんが大きな荷物や重たい荷物を持っていると、近くの男性や、男性がいなければ女性でも、ちょっと手伝って、と荷物を持たせます。私も頼まれたことがあります。石でも入っているのかと思うような重さで驚きましたが、すぐそこまでだったので良かったです。

私の印象では、ロシアではおばあちゃんが絶大な権力を持っているというか、鶴の一声みたいな感じで、何かが収まったり決まったり、道が開かれたり。そんな感じです。

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