星を食べる

#眠れない夜に

突然やってくるものには
体と心と思考は抗えるはずはなく、
流れるままに流されるしかない。

そうするしかこれから逃れられない、
むしろ流れることに気持ちよさを覚えてしまった方が楽でもある、
このまま流れに沿っていけば、
どうなってしまうのか何処に何があるのか、
それはそれでありかもしれない、
迷惑はかけてしまう、
抵抗するのもしんどいし、
流れに流されるのもそれはそれで腹が立つ、
よって
自分から流れに行くのがいい、
今住んでいる場所が何も知らない場所でよかった、
誰も私のことを知らない街でよかった、
私も誰も知らない街でよかった、
知らなくてよかった、
知っている街を歩く、
変わった私と変わらない街の対比に頭が割れそうになる、
変わるのは悪いことなのか、
悪くないけど周りが否定する、
視線が見える、
声が聞こえる、比べてくる、

だが頭をあげるとそんな声と視線はなく、
普通に歩いている、怖くなる、
確かにそこにいるはずなのに、
見えなくなる、
自分が気持ち悪くなる、
鏡が見れない、情けない顔をしているから、
気持ち悪い、
自分がとても気持ち悪い、
やめてほしい、
首を絞めてほしい、
自分じゃないものが出ていくはずで、
酸素が回らなくなると思考を止めることができる、
早くしめてくれ、

もし仮に、
しめられたとしよう、
私はもがいて頼んだくせにその人を蹴り、
無理やり離れる、
そしてその人を一生懸命真っ赤な目で睨んで息を整えている、
気持ち悪い、情けない、
睨んだ先にいるのは私だった。

その通りで、言葉通りで、
勝手に締めて勝手に苦しんで勝手にしめた相手を睨んで自分なのに勝手に世の中に絶望している、
馬鹿のやること、
自らなりたくない人間になりにいっている、
なりたい人間になれる方法が分からない、
情けない、
息も整ってきたところでまた首を絞める、
情けない顔を見ながら頭は空想に逃げる、
音楽があってよかった、
音楽は私を肯定してくれる、
この状況でさえも明るくしてくれる、
正しくしてくれる、
物語にしてくれる、
音楽が止むと気持ち悪い息の声が聞こえる、
苦しそうで気持ち悪い、
私は目を逸らして再生ボタンを押す、
そして続ける、
首を
絞め続ける、
音楽とあわせながら顔を見ると、
まあなかなか
気持ちよくなってくる、
この状況も悪くないかな、
口元が緩んでくる、
目は顔を向いているはずなのに何も見えない、
自分でさえも自分が見えていない、
情けない、
絞めるだけじゃ足りない

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