見出し画像

マインドフルネスとは part 2 ー難しい感情との向き合う

私は、マインドフルネス瞑想を始めてかれこれ15年という年月が経っています。普段は学校勤務(事務職)をしている身であり、平日は08:30〜17:30まで働いて帰路につく生活の中で日々ゆっくりと瞑想をする時間を確保できているかいうと全くそうではありません。一日20分寝起きに瞑想するのがやっとのこともあります。

細々と続けているマインドフルネスでしたが、私の人生を根底から支えてくれているその力や素晴らしさをいつか他者に伝えたいし、その人の人生を変えるプロセスに寄り添いたいという思いから、実践者として他者にマインドフルネスをファシリテーションをすることを目的としたUCLA Mindful Awareness Research Center (MARC)のTraining in Mindfulness Facilitation Programを修了すると同時にIMTA Certified Mindfulness Teacher, Professional Level (CMT-P)という認定状も無事取得するに至りました。

マインドフルネスを実践しつつ毎日同じ職場で働いていると自分の成長はマインドフルネスと共にあるとことが日々実感として得られます。特に私が今の職場で仕事をするようになったのは、グリーフのどん底に落ち込んでいる最中だったので、当初は自分の感情のコントロールがとても難しかったことが思い出されます。マインドフルネスが私にとって不可欠になったのは、この難しい感情への向き合い方を学ぶ必要があったからです。グリーフに伴う感情は様々なものが挙げられます。
 ・深く沈み込むような悲しみ、モヤの中にいるようなすっきりしない感覚
 ・鋭く突き上げるような悲しみ、喉を締め付ける鋭い痛みを伴う感覚
 ・誰に向かっているか分からないような爆発しそうな怒り、イライラ感
 ・落胆や失望感、挫折感
 ・不安、所属感の欠如、孤立感 など

このような感情を持ちながら、周りの人と一緒に関わろうとすると当然ながら大きなストレスを生みますし、仕事や将来に対して希望を持つことも困難です。これらの感情と向き合う術を学ぶことは、生きるために必要なことでした。

マインドフルネスには様々な手法がありますが、その中にRAINというメソッドがあります。Tara Brachというアメリカの心理学者が特にRAINメソッドを広く普及させています。RAINとは、アクロニム(頭字語)で次のような意味があります。

Recognize(認知する・理解する)ー 難しい感情の存在を認める
Allow(存在を認める)ー 難しい感情と共にいる、スペースを作る
Investigate(丹念に調べる)ー 難しい感情を身体的・心理的な内的感覚を用いて調べる
Non-identify / Nurture ー Iのステップにより難しい感情に対する理解が深まった後は、本来の自分とその感情は同一ではないことを思い出す。深まった自己理解や自分自身を温かく支持する。コンパッション を持って自分を養う。

RAINは、普段培っているマインドフルネスを使って、難しい感情にきちんと向き合うことを可能にしてくれるツールだと言えるでしょう。難しい感情(グリーフや怒りなど)は残念ながら、放っておいてもなかなか解消することはできません。マインドフルネスという「支持的環境」を自分の中で培い、その中で恐れずに自己と向き合っていく。そういった日々の繰り返しの中で癒しは徐々に訪れます。

私も、グリーフの真っ只中にいる時は毎日のようにRAINを使いましたし、今でもイライラしている自分に気づいたり自己嫌悪に陥った時は、瞑想の中にRAINを取り入れています。

時々、不調だなと感じても「RAINするのめんどくさいな〜」と思う時もあるのですが、覚悟を決めて実践してみると目の前の視界がぱっと開けたように問題が解決してまうことが多々あります。

自分の厄介な感情を忌み嫌い切り離すのではなく、自分の一部として優しく見つめて受容していくことができるのがマインドフルネスの醍醐味ですね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?